キャリアガイダンスVol.448
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の発想や観点の違いに気づきを得ていた。ーマに、問いを段階的に深めていく。最から「面白い問いを作ろう」と負荷をかけると、生徒たちは、面白い問いを立てめる。対象に関する関心や情報がないとに気づいていく。かけも最低限にしているという。また、ミニ探究ではチョコレートをテ初は「チョコレートを使って疑問文を作ろう」とだけ伝えると、すぐに答えが出る問いを出してくる。しかし、次の時間るために自分に足りないものを考え始と自分の中に問いが生まれてこないこ授業に仕掛けを含ませる一方で、教員の顔色をうかがわずに生徒が本音を出せるように、教員は教壇に立たず、声自分の考えや学んだことの言語化のために、探究基礎では「気づきノート」を導入。その日の実践、学びや気づき、次に挑戦したいことなどを自由に記述する。 探究基礎が始まる前の昨年度の1年生は、LHRで「ツールを使用。「自分とは何か?」と向き合うために、自分の長所・短所、好き・嫌いを言語化して自分の特性に気づき、仲間と伝え合うことで、さらに自分について深く知っていく。今年度も同様の取組をする予定だ。そのほかにもさまざまなワークシートで考えを文章化する機会を設けているが、生徒が自分の真の興味関心と向き合うために同校が意識しているのが「主語」だ。生徒たちが、テーマ設定の理由を述べたり書いたりするときに、通常「主語」は書かない。例えば、ある対象について「課題意識をもっている」と言えI amシート」というば、本人以外にも伝わるからだ。教員は、生徒たちが研究を進めるなかで、本当の意味で「自分ごと」に引き寄せるために、「課題意識をもっているのは誰?」など、「私」という主語を言わなくてはならないような、小さな仕掛けをするなどしている。一方で、自らの内発的な興味から課題研究ができている生徒たちは、テーマ設定の際に、その理由をしっかり言語化することができつつあった。さらに自分ごとにできるよう、動機や経験などを入れるように促している。そうすることで自分の物語が動き出すと考えているのだ。同校の探究基礎は始まったばかりだ。杉本先生は授業を通してあえて「課題解決」という言葉を使っていない。生徒たちが大人に聞こえのいいことではなく、自分が心から面白いと思える「課題発見」ができればいいと考えている。探究基礎では生徒たちは授業を楽しみながら自分の考えをもてるようになりつつあるが、あらゆる場面で意識できるようになってほしいと願っている。「自分の考えについて単語をつなぐことで文章化する力を、進路選択にもつなげられるのが理想です」(中■先生)主語を付け、単語をつなぎ自身の内発的な動機を知る生徒たちが面白いと感じる発見ができるように29探究基礎の授業で毎回記入するノート。その日の実践と気づきだけでなく、それらを過去の経験などと結びつけたり、自分の考えが変わったりしたことがびっしりと書かれている。昨昨年度の1年生が使用していた「I amシート」。自分てを見つめ直し自分についてを深く知るために、自分にどん深な特性(好き・嫌いや得手・な不得手など)があるのかを不考えまとめる。考「自分が入れ物だと思う物」を作る授業では、折り紙のようにして箱形にする生徒、平らなまま封筒を作る生徒、何もせず1枚の紙のまま風呂敷のように使うと答えた生徒など、先生たちの想像を超えた発想がでてきた。「私にしか言えない言葉」2023 OCT. Vol.448写真左から、教務部・中■和宏先生、教育企画部・杉本和歌子先生ペアワークの授業では、「あるもの」を相手に言葉だけで説明して推測してもらうワークなどをしている。説明する際に使用NGの単語が設定されているため、生徒たちは描写に思考を凝らしながら奮闘していた。1896年創立/全日制課程普通科。昨年度に研究開発学校の指定を受け、独自の方法で探究に取り組んでいる。創立127周年を迎え、学校本館が登録有形文化財に指定される歴史ある学校。 探究基礎の英語分野で、問いの種類について学んだ授業。答えがYesかNoなど、一つしか答えがない“Closed Questions”と、複数の答えが存在する“Open Questions”について英語で学んだ。       

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