つも言葉には悩んでしまいます。キャリアガイダンスの編集をするうえではもちろんのことなのですが、日常でも、チャットやオンライン会議中心の業務スタイルに移り変わってからは、「どう書けば理解してもらいやすいか」「もっとわかりやすい伝え方ができたはず」と日々自問自答です。今回、東川町での高校生との座談会(14ページ)に参加して、高校生たちに自分のその悩ましさを正直に伝えてみると、「大人でもそうなんだ…!」と、驚きと共感の感想をもらいました。考えてみると、「言葉って本当に難しいよね」と俯瞰してみる機会は、世代を問わず普段なかなかないことかもしれません。でも、正直にその葛藤を相手に伝えたり、ちょっとだけ普段と違う表現を考えてみたり、表現の手前にあるもやもやの存在を意識するほどに、自分らしさが現れ出し、「私にしか言えない言葉」を創っていくのかもしれないと今回感じました。学校の中の、ふとしたシーンの関わり方でも、何かしらこの特集がお役に立てたのなら幸いです。赤土豪一(本誌 編集長)33中高生向けの美術の授業のような展開で、「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、 「自分なりの答え」を生み出し、それによって「新たな問い」を生み出すという、「アート思考」のプロセスをわかりやすく解説している。美術教師でなくても、生徒の思考力育成の参考に。何かを表現しようとするとき「自分のテーマを自分の言葉で語ること」が最も大切であるとして、「自分のテーマの発見」「自分のテーマの表現」「自分のテーマでの対話」の考え方や方法を提案している。著者が高校で実践した表現活動での「千葉くんの挑戦」エピソードも掲載。1年間限定の小さな書店にて、日替わりで展示されていた「今日の宿題」320件を収録。谷川俊太郎氏をはじめ、作家、デザイナー、建築家、写真家、僧侶など、さまざまなジャンルの人が問いを投げかけている。対話のテーマ設定や、探究活動の練習にも活用できそう。「私にしか言えない言葉」2023 OCT. Vol.448自分の気持ちを伝えるのが苦手な「僕」と、言葉の妖精とのやりとりを通じて、「内なる言葉(考える・感じる)」を「外に向かう言葉(話す・書く)」につなげる方法を具体的に紹介している。「考えが伝わらない」「言葉が出てこない」という生徒にオススメしたい1冊。もやもやの先にあるかもしれない自分の言葉
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