キャリアガイダンスVol.448
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進路学習が自分ごとにならない生徒に、将来の目標を設定させるには「適性診断」で将来適性を。自己理解と強みの発見を創立以来、「すべての学科がキャリア教育」との視点から、生徒の個人指導に力を入れてきた柏木学園高校。ここ数年は進学率も伸び、昨年度は過去最高の進路実績を上げることができたという。「昨年以上の結果を出すにはどうしたら良いか。そう考え、今年度からはキャリア教育を大きく変えることにしました」そう話すのは、キャリア支援グループの斎藤文成先生と水谷泰朗先生だ。「3年生になっても進路目標が決まっていない生徒が少なからずいたこと。1年生の文理選択が自分ごとになっていないこと。これらの反省点を踏まえて、リクルートの営業の方と一緒に考えた新3カ年計画を実施したところ、一学期の3コマだけで、生徒たちが自己肯定感をもてるようになった! これは、例年にない変化です」と水谷先生。既に成果が出てきたというキャリア教育は、毎年1年生の4月に実施していた合宿を、目標設定の大切さを伝える分科会形式の合宿に変えたことから始まる。クラスを解体し、将来の「目標」と「今やること」をテーマにアンケートを取り、両方ともわかっている生徒、一方はわかっている生徒、どちらもわかっていない生徒など11のグループに分けて合宿を実施した。そして、7月からスタートしたのが、今年度から新たに取り入れた「自己理解・強み発見ワーク」だ。「進路学習は、合宿で分けたグループをベースに行います。1コマ目は、スタディサプリの『適性診断』の結果を受け、自分の適性や強みを言語化していくワーク。ただし、『適性がある』という客観評価だけでは自分ごととして捉えられない生徒もいるため、今年度から加えたのが、自分の強みを自分ごととして捉えられるモチベーショングラフの活用です。2コマ目では実際にグラフを作成し、過去のどんなときに力を発揮し、どうやってスランプから抜け出したのかなどを書き込むことで、自分の無意識の判断軸や性格、価値観に気づいていきます。3コマ目は、モチベーショングラフを発表するグループワーク。ほかの生徒たちから『中学時代こんなにがんばったの、すごい!』『こんな特技があるんだね』と褒めてもらい、付箋にたくさん褒め言葉を書いてもらう。クラスメートではない生徒からの褒め言葉は新鮮な気持ちで受け止められるようで、生徒たちの自己肯定感は随分上がりました。また、前年度までは進路学習というと受け身だった生徒たちが、自らの強みを言語化できるようになったことで発言も増え、前のめりで取り組むように。これも嬉しい変化です」そう話す水谷先生。二学期からは、生徒たちが見つけた自分の強みを、学問探究へと結びつけていくのが狙いだという。7月「モチベーショングラフ」を使って主観的な自分の強みを知る10月 『高校生Ring』 一次締切11月 『高校生Ring2023』 振り返り12月 『学問探究BOOK』自分の強みと、『高校生Ring』で学んだ探究のプロセスを学問探究へとつなげていく。スタディサプリ for SCHOOL活用法1年次キャリア教育6月スタディサプリ for SCHOOL 『適性診断』で客観的な視点から自分の強みを知るテーマ▶キャリア教育  目的▶自分の強みを理解・言語化して目標設計をする取材・文/丸山佳子リクルートサービスを活用した実践事例612023 OCT. Vol.448自分の過去を振り返ってグラフを作成し、グループワークで発表して、自分の強みを知る。「新しいビジネスを考え、発表する高校生Ringは、2年生が本番。探究のプロセスを学んでほしくて、1年生にも参加させています」と水谷先生。山本史恵さんの「モチベーショングラフ」。中学のときはずっと塾に通っていたし、今より暗い性格でした。でも、モチベーショングラフを書いて、みんなに「明るい」って言われて。しかも「看護師になりたいなんて、すごい」と言ってもらえて、嬉しかったし、自信がつきました。母は歯科衛生士、祖母が現役の歯科医なので、私もがんばりたいです。(1年生・山本史恵さん)進路写真右からキャリア支援グループ 主任斎藤文成先生(地歴公民)キャリア支援グループ 水谷泰朗先生(地歴公民)創立1997年/普通科(共学)生徒数1028人(男子607人、女子421人)進路状況(2023年3月実績)大学174人、短大19人、専門学校等87人、就職20人、その他26人      課題活用「モチベーショングラフ」で強みを言葉にすることで自己肯定感を高め、将来の目標を語れる生徒を育てる柏木学園高校 (神奈川・私立)

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