英語新課程、授業で教えるには時間が足りない1年「ベーシック」、2年英語新課程の不足を補う日本大学習志野高校が「スタディサプリ」を導入したのは2022年4月。目的は、トップクラスの大学合格者を増やすために、生徒の自学自習に対するモチベーションアップを図ることだった。「生徒からは使い勝手がいいと好評で、3年生は受験前に視聴時間が大幅に伸びます。また、到達度テストも既習範囲の抜けが一目でわかるため、生徒、教員とも無駄のない学びができるようになってきました」と進路指導部主任の葛西日出夫先生。さらに昨年、英語新課程の授業で、新たな課題がもち上がった。「『英語コミュニケーション』と『論理・表現』に分かれたことで、明らかに授業時間が足りない。そこで、文法の学習は『スタディサプリ』を活用することにしました。この決断が、受験対策も含めた解決策になりました」と英語の山本翔平先生。「新課程になった昨年、1年生の『英語コミュニケーション』の授業ではカリキュラムに沿って話すことを充実させました。当校の生徒たちは、比較的中学までの貯金があると思うのですが、1年間新授業をやって4技能の力を測ってみると、『話す』と『書く』が高く、『読む』と『聞く』が弱かった。旧課程のときとは明らかに違う結果です。問題は、『読む』が弱いと受験対策ができないことです。そこで、文法をどう教えるか英語科で 話し合ったところ、〝授業では、授業でしかできないことをやろう。授業時間が足りないなら、文法は誰が説明しても同じなので外部のツールを活用しよう〟ということになりました。『スタディサプリ』は、文法を細かくチャプターに分けて解説をしてくれている点がわかりやすくて良かったです」と、山本先生。今年度からは、新課程の英語2科目に関しては、必要な文法項目を担当教師が生徒に宿題配信。1年生は教科書の内容に則したスタディサプリの「ベーシックレベル」、応用的な文法が増えてくる2年生は「ハイレベル」を活用しているという。「また、『英語コミュニケーション』の授業で読解が入るときは、授業前に読解に役立つ文法のポイントを配信して予習してもらうこともあります。話すトレーニングにシャドーイングを使ったり、長期休みには、チャプターの内容をまとめ、音声動画にして提出するトップレベルの宿題なども活用しています。今の1、2年生は「受験英語って何?」という世代。でも、3年生になったら受験英語を意識せざるを得ない。今から文法を自学する習慣をつけてほしいですね」と山本先生学年別、志望校別に生徒にシラバスを配布するなどして、モチベーションアップを測っている同校。英語科での活用で、生徒たちの自主的なスタディサプリの活用が大きく伸びたそうだ。テーマ▶英語新課程への対策 目的▶英文法を家庭学習でフォローする取材・文/丸山佳子● 【新版】ベーシックレベル英語 2023年度配信経過配信月配信分野文の種類 文の種類文型と文の要素時制助動詞②受動態10・11・12月不定詞仮定法関係詞仮定法● 生徒のスタディサプリ活用法スタディサプリ活用法1年生英語文法配信スケジュール教科書の内容に則した形で1年生に配信している「スタディサプリ」ベーシックレベルの英語文法の配信スケジュール。新課程になってから、必要な文法は基本的に自学。宿題配信という形で進めている。6月7・8月9月1・2・3月上の図はスタディサプリを活用した「高3・国公立大学文系プラン」。志望コースに合わせたさまざまなシラバスを生徒に配布している。3年生の6月まで部活(バスケ)をやっていたので、「スタディサプリ」を本格的に使い始めたのは、部活を引退してからです。国公立コースに在籍し、理学療法士を目指しているため、理学部志望です。受験に必要な生物、化学、倫社を1年生から総復習して、英数も底上げできるようにがんばってきました。1日5〜6時間、スタサプで勉強したおかげで、模試では生物の点数が上がりました。解説がわかりやすいことと、15分程度のチャプターに分かれているので、集中して覚えられるのがいいと思います。「志望理由書の書き方講座」もスタサプにあるというので、これから研究したいと思います。(3年生・高根誠弥さん)リクルートサービスを活用した実践事例632023 OCT. Vol.448学習写真右から進路指導部主任 葛西日出夫先生(国語)英語科主任 1年生担任 山本翔平先生(英語)創立1929年/普通科(共学)生徒数1162人(男子695人、女子467人)進路状況(2023年3月実績)大学330人、専門学校等2人、海外大学1人、その他46人課題活用「ハイレベル」の文法配信で授業時間が足りない英語新課程。英文法をスタサプで補い、授業の充実と受験対策につなげる日本大学習志野高校 (千葉・私立)
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