キャリアガイダンスVol.449
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にしてみる」「振り返る」をテーマにした授業を通して思考を深めていく。授業は午前のみで、平日1日と休日は休み。余白の時間の使い方は自由だ(左図)。新しい仕事に向けて準備中の社会人、休学中の大学生、会社の休暇制度を利用中の会社員などさまざまな人が参加し、共同生活を送りながら学んでいる。参加のきっかけや理由は人によるが、「今の延長線のままの人生を送ると、いつか〝違うかも〟と思うときが来る…という予感」を抱えている人が多いという。いずれのコースでも、地元の人の話を聞いたり、ものづくりやアクティビティに取り組んだり、参加者同士が語り合ったりと、リアルな体験を大切にしている。 「東川町は木工家具の製造が盛んで、家具職人さんに何を考えながら木と向き合っているのかを話してもらったことがありました。気候や環境が安定していると年輪の幅が均等になり、不安定だと幅も不均等になるそうなんですが、『均等な木よりも不均等な木のほうが味があっていい。人生と同じだ』と。そんなふとした言葉から対話が生まれたり。また、実際に椅子を作る、山に登るといった身体を使った体験も、学びや内省を促すものとして大事にしています」いわゆるプログラムは最低限に留    め、自由時間、つまり余白の時間を多くとっている。最初は参加者の多くが「何をしたらいいのか」と戸惑い、余白を無理に埋めようとするという。 「しばらくすると、自分はここに何をしに来たんだっけと立ち返り、あえて何もしないことができるようになります。余白って何もない空洞だと思っていたけど違っていた、というのはある参加者の言葉です。車窓を流れていた景色が、止まるとよく見えるようになるように、いつもは見えていなかったものやスルーしていたものが、見えるようになった…と言っていたのが印象的です。また、ある学校の先生は、コース修了後にこれまで毎日バリバリやっていた部活動を休みにしてみたところ、かえって強くなったそうです。立ち止まることで、自分の内面も外の世界も見え方が変わってくる、ああこうだったんだと気づく、余白から新しい力を生み出す…これはとても大きCompathも、実社会では挑戦しづCompathのコースを設計するなな一歩だと思います」参加者同士の交流や対話も、価値観や行動の変容を促す。日頃身を置いている環境では出会うことのない多様な人々と出会い、深く知り合うことで、「普段背負っている肩書きや立場が削がれ、自分自身の〝ねばならない〟が外れていく感覚がある」と安井さんは言う。「一人で学ぶのではなく、他者と関わりながら学ぶのも、フォルケホイスコーレでの学びの大事な要素です。他者と共に生きる、社会をつくっていく一員となる、その練習をする場所という意味でもフォルケホイスコーレは〝学校〟なのです。そして、らいことを小さくやってみる、実践の場でありたいと考えています」かで、「壁にぶつかることが何度もあった」と安井さんは振り返る。 「高校の先生方には共感していただけるかもしれませんが、つい、プログラムをしっかりと作りたくなっちゃうんですよね。3年ほどやってきて実感しているのが、余白をもたせたほうが良い学びになるということ。かっちりとしたプログラムを用意して、何か問題があったら介入して…というやり方だと、確実で均質な成果は出Compathをそんな存在にするためるかもしれませんが、面白いことは起こりません。もっと言うと、思い出に残らないんです。参加者アンケートで印象に残っていることを尋ねると、8割程度の方がプログラム以外のことを挙げます。意図せず偶然に出会ったもの、自分で掴み取ったものの記憶に勝るものはありません。これぞ、その人だけのオリジナルの学びです。学習者は自ずと学び、育つもの。これに気づいてから、計画しすぎない・詰め込みすぎないこと、何かしてあげないといけないという責任感を手放すこと、焦らず待つことを、意識するようになりました。これらは、学校教育においても大事なことなのではないかと思います」2024年4月には、念願の校舎がオープンするCompath。安井さん・遠又さんの目標は、日本にフォルケホイスコーレの事例をつくること、余白をとりたいときにとれることが当たり前に許容される世の中にすること、そして、楽しく長く続けることだ。 「このままでは無理が生じると、多くの人がうっすらと感じているはず。社会の空気をすぐに変えることはできないけれど、大事なのは、一人ひとりが立ち止まり、問いと向き合うこと、多様な人と対話を重ねて小さな変化を起こすこと。草の根からみんなでじわじわと変えていく、に試行錯誤を重ねていきたいです」立ち止まることで、内面も外の世界も見え方が変わる余白があるほうが学びになる。詰めすぎず、手放し、待つこと余白が生む未来2024 JAN. Vol.449余白があるほうが良い学びになる。責任感を手放し、焦らず待つ。取材・文/笹原風花●4週間コースの期間中の過ごし方●授業スケジュールの一例11

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