「FLY認のうえ学生と面談を行い、採用が決まると、計画をブラッシュアップしていく。FLYの北澤大輔教授は、FLYの主旨について次のように説明する。の仕組みであり、学生が自分がやりたいことをやる、自分で決めて行動する、そして活動を通じて自らを成長させることを最重要視しています。具体的には、学生1人につき3人の教員がつき、担当教員らから教育面や安全面に配慮した助言を受けつつ、学生自身が計画を具体化していきます」(北澤教授)準備期間を経て6月から約10か月間、学生は国内外でそれぞれの活動に従事する。その間、月1回の定期報告が義務となっており、担当教員は学生からの相談などには随時対応するが、「基本的には安全上の配慮など見守りに徹する」という。活動終了後には報告会が開かれ、学生は自らの体験や学びについて発表する。事後アンケートの自由記述では、「何のために大学で学ぶのか見方が変わった」「自分の興味・関心に基づいて履修科目を選択するようになった」などの意見が多数見られるという。大学での学びが始まる前に余白rogram推進委員長rogramrogramは自己教育のためをとり、社会に出て体験的に学び、自己教育をすることには、どのような意味があるのだろうか。内山さんは濵田元総長の言葉を引用して、次のように話す。 「『ベルトコンベア式に高校から大学へと流されるのではなく、高校まで積み上げてきた学びをリセットする、受験勉強マインドや偏差値主義といた価値観をリセットする』というのが、FLY考えています。一度立ち止まって、大学で学ぶ意義や、自分は何を学びたいのかを考える。まさに、余白の時間です。東大には3年次に学部・学科を選ぶ進学選択がありますが、そこで何を軸にして選び取っていくのか、どういう学びを組み立てていくのか、といったことにも大きく影響するでしょう。一度ベルトコンベアを降りて社会に出てリアルな体験をすると、大学に戻ってきたときの学びへのモチベーションも変わってきます。FLY生から周囲への、正の波及効果も期待されます」(内山さん)また、北澤教授も、FLYの意義について「受け身の学習から自主的な学びへの転換」を挙げる。 「報告会で学生の発表を聞いていると、自主的に活動する、物事を主体的に受け止めるといった点において、特に大きな効果があると感じます。実社会では何が課題になってい P P P P P P P Programの意義の一つだとrogramに参加した学るのか、その解決のためには何が必要かという視点をもてるようになることも、これから大学というアカデミックな場所で学ぶうえで大事なことだと思います」(北澤教授)月の東京大学入学式の藤井輝夫総長による式辞でも、二つの観点で言及された。一つは、イノベーションを起こすために重要なこと(の一つ)が、「外に出て、多様な経験をし、人脈を広げること」であり、その一例として。もう一つは、東京大学では「社会のさまざまな現場に直接にFLYrogramrogramは、2023年4触れあう機会を設けること」に取り組んでおり、「学びを社会と結び直す」体験型活動の一例として。北澤教授ならびに内山さんは、「大学という場に留まらず、多様な社会体験活動をしてほしいというメッセージが、濵田元総長の時代から脈々と受け継がれ発信されている」と強調する。最後に北澤教授は、次のように締め括った。 「間が空いてはいけない、という思い込みがまだまだ強いのが日本の現状です。FLY時間のとり方の一例で、修士課程を終えたとき、社会に出る前など、人生のどのタイミングで余白をとっrogramは余白的なてもいいと私は考えています。むしろ、そういう時間がない現状の社会システムに違和感があります。ベルトコンベア式に流されるように進むのではなく、少し立ち止まって、自分の人生や将来についてじっくり考える時間をもつことが大事なのではないでしょうか」(北澤教授)立ち止まり考える時間が、学びへの姿勢を変える多様な経験を通して考える、主体的な余白の時間を余白が生む未来田中陸登さん(現・東京大学教養学部理科I類1年)は、2022年度にFLY Programに参加。「多様な世界で自分の価値観を相対化するとともに、それぞれの現代における問題を体感する」をテーマに、東京でのインターンシップとアルバイト、香川県津田町での町おこし、ベトナムとタイでのボランティアと、多彩な活動を展開した。間が空いたっていい。一度立ち止まって、学ぶ意義を考える。
元のページ ../index.html#13