経験を落とし込むカリキュラム構築が進んでいる。その一つが、複数教員で合教科授業を実施するコラボレーションウィーク(以下コラボウィーク)だ。高校1・2年を対象に、4日間で探究的な授業を体験する。教員同士が声をかけ合って24講座を設置。生徒たちは第5希望まで申請。普段関係性が薄い生徒が集まるよう教員側で調整し、受講講座を決める。与えられたミッションに対し、グループで取り組み、最終日に発表を行う。 「実社会は複数教科の知識の組み合わせで成り立っています。実社会に繋がる学びの生かし方を体験してもらうのがコラボウィークのねらいです」(コラボウィーク担当・石原徳子先生)生徒たちは自分が興味あるテー 真参照)、インプットとアウトプットマについてグループで研究を深め(写を反復することで知識の定着を体感。興味と学びのつながりを短期間で習得している。生徒に学びの主体を移譲する施策として、さらに今後、自由選択制の大幅な拡大と、学年制を柔軟にとらえることの2点を柱としている。前者は大学並みに生徒が時間割を自由に組み合わせて選べるようにする施策で、2025年度からの導入を目指している。学年制については、すでに中学校の英語科では学年の壁を取り払い、生徒同士が対話で学んだり、個人で学んだりと授業スタイルが異なる5つの教室から自由に選べる取組が始まっている。 「個別最適な学びとは、習熟度別に教員が集団を分けることではなく、生徒自身が自分の学び方を選ぶことです」(本間副校長) 「与えられて余白のない学校ではなく、無地のキャンバスに生徒が自由に学びをデザインしていく。そこに自然と余白が生まれていきます。そして、学び方を生徒に委ねたとき、教員に求められる専門性がより高まります。進化していく学び方についての知識を常にアップデートさせていなければなりません。また、生徒が選んだ学びが本人の力を伸ばせているか見取る力、生徒に学びたいと思わせる力が教員には求められます」(山本先生)働き方改革により生み出された時間で、教員は生徒主体の授業に対応できる自己研鑽に時間を使うことができるようになった。 「生徒に学びを委ねることに最初は怖さも感じました。でも、主体的な大人に育ってほしいというイメージから逆算すれば、主体的な学びは必要なこと。教員にできることは、安心して発言し、楽しんで学べる教室の環境づくりぐらいだと感じています」(石原先生) 「家族を愛する以上に生徒を愛する必要はありません。いくら生徒たちを愛しても、未来をつくる支援はできますが、未来永劫生徒に寄り添うことはできません。自律に向けて手を離さなければならない。だから学校に長くいないで、家族を愛しなさいと。これが私の考える教員の余白です」(本間副校長)さらなる改革に向けて教員のアップデートが必要余白が生む未来英語科×情報科の「暗号ゲーム/クイズを開発せよ」。暗号の歴史や仕組みについて学び、言葉が目的ではなく手段であることを体感する。理科×社会科の「集え哲学的サイエンティスト」講座。身近な社会問題が最先端技術だけで解決できるか、科学的・哲学的なアプローチで探究した。本間副校長(日本史)と山本先生(英語科)がコラボした、幕末の侍が英語を習得していった観点を基に、生徒たち自身が英語の学び方を提案する授業。2024 JAN. Vol.449余白とは、家族を愛する以上に生徒を愛さないこと。■学校データ1940年創立/高校生徒数1211名(男子392名、女子819名)。千代田区立麹町中学で学校改革を実践した工藤勇一校長が2020年に着任以来、校則や固定担任制の撤廃、学び方改革、教員の働き方改革などさまざまな学校改革を実施。入学志望者が急増している。コラボレーションウィークの授業例17校長補佐山本崇雄先生
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