キャリアガイダンスVol.449
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今の自分にとって本当に必要なものを問うこと。手放すことで余白が生まれる余白をつくる近藤麻理恵片づけコンサルタント片3づけを仕事にしてきたのに、自分の家が片づけられない――そんな葛藤を抱え始めたのは、3人目の子どもが生まれてからのことです。仕事に子育てにと忙しく過ごすうちに、自由に使える時間がなくなり、思うような片づけができなくなりました。宅配便の配達員の方がいらしたとき、玄関から見える部分すら散らかっているのが、どうしようもなく恥ずかしかった。でも、そのとき改めて自分に問い直したのです。「今の私が“ときめく”時間の過ごし方ってどういうもの?」。すると「今は、限られた時間を完璧に家を片づけることに費やすよりも、子どもと過ごすことに使いたい」と自分の本心に気づきました。それで、子育ての期間、片づけの優先順位を一時的に下げることにしました。 一見すると「子育てに追われて、片づけを諦めた」とも見られるかもしれません。しかし、この選択は、むしろ私がこれまで発信してきた「片づけ」の本質そのものだと思うのです。私が大事にしてきたのは、片づけを通じて自分の内面を見つめ「どういうものに囲まれて生きたいのか」自分の価値観を知り、人生を選択して歩むこと。その判断軸を、“ときめき”を感じるかどうか、と表現してきました。これは、モノの片づけだけでなく、時間、人間関係、仕事、人生、すべての選択において通じる考え方です。 「いつか時間の余裕ができたら、自分にとって大切なことに時間を割こう」と思っていても、永遠にその時間はやってきません。今の自分を見つめ直し、自分にとって本当に大切なものとそうではないものを分けて、要らないものを手放す。手放して初めて、そこに自由につかえる余白ができます。余白とは、人生を主体的に選択すること――すなわち、「片づけ」から生まれるものなのです。 とはいえ、いきなり人生や時間の使い方を見つめ直し、改革するのは難易度が高いと感じる方もいらっしゃるでしょう。そんな方には、まず、目の前の机の片づけから始めることをおすすめします。机の上にあるもの、一つずつ手に持って「今の自分にとって必要か?」と問いながら、体の反応を感じて、残すかどうかを決める。私はその問いを“ときめくか?”と表現していますが、「ワクワクするか?」や「理想とする働き方につながるか?」など、自分が大切にしている価値観にそった言葉で、問いかけてみてください。そうやって何度も自分に問ううちに、自分が何を大切にしていて、何なら手放せるのか、の判断力が磨かれていきます。コツは、悩むものではなく手放しやすいものから手放していくことです。一つ手放すたびにすっきりして、視界が広がる感覚になります。その感覚が磨かれていくと、あらゆる分野で優先順位がつけやすくなるのです。 「要らないプリントが山積み…」と悩んでいる先生がいらしたら、ぜひその机の上に余白をつくるところから、始めてみてください。今号のオープニングメッセージ取材・文/塚田智恵美 写真/© KonMari Media Inc.こんどう・まりえ●19歳で片づけコンサルティング業務を開始 。2010年出版『人生がときめく片づけの魔法』は世界40カ国以上で翻訳され、シリーズ累計1400万部超の世界的大ベストセラーに。2015年『TIME』誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出。新刊『こんまり流 今よりもっと人生がときめく77のヒント』好評発売中。2024 JAN. Vol.449

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