キャリアガイダンスVol.449
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まとめ/松井大助 撮影/和田逸雄 学園創立100周年だった2022年に、学校の目指す将来像を変えました。15年前の目標は「誰もが入学を望む地域有数の進学校」。当時より国公立大学合格者が激増した今、新たに打ち出したのが「グローバルシチズンシップを身につけた自律的学習者を育成する教育先進校」です。日本のプレゼンスの低下や世界情勢の変動、AIなどのテクノロジーの発展。激動の時代に子どもたちが未来を切り拓けるよう、進路支援に加え、生徒の主体性や探究心も育みたい。かねてからの思いであり、2019年には前校長に直談判し、校内に教育イノベーションセンターを立ち上げ、これからの教育を横断的チームで研究してきました。 校長になって意識が変わった面もあります。組織改革の重要性を痛感したことです。多くの場合、教育改革はトップダウンで進められ、教員は自分事になりきらないまま従事します。すると教育活動はいろいろ増えても、なぜそれを行い、教科指導や進路指導とどう結びつくかは個々のなかで曖昧なまま。カリキュラム全常翔学園中学校・高校1922年創立。生徒の進路希望に合わせた複数のコースを設けており、現在「グローバル探究コース」を新設準備中。それぞれのコースに応じて、科学探究のガリレオプランや、企業探究学習など、多様な探究学習プログラムも展開。こうした活動を総称した「常翔キャリアアップチャレンジ」では、学校法人常翔学園が運営する3大学ともゼミや学生のサポートで連携を深めている。体を貫くような意志が育ちません。 そこで本校では、中堅教員が中心のプロジェクトを組むなど、権限をできるだけ現場に委譲し、明確な目標を打ち出し、そこから各教員が考え、議論し、自分たちで判断して動くようにしました。トップダウンではない、自律型組織による改革を行いたいのです。 現場主導の改革一例が「探究活動とつなげた海外修学旅行」です。生徒のどんな成長を後押しするか、旅の目的から教員が話し合い、プログラムを構築。生徒は最初こそ戸惑うも、体験後は「めちゃくちゃ良かった!」と言っています。また別の教員チームは、データや理論に基づく教育を行う「IR(Institutional Research)プロジェクト」を牽引。こうした活動でミドルリーダーの育成も進めていますが、先日、外部のスクールリーダー養成講座を紹介すると、若手・中堅の先生が6人も手を挙げてくれました。変化を感じ、嬉しかったです。 校務運営への「生徒の参加」も推し進めています。生徒が主体的に関わる新入生オリエンテーション、入学式や卒業式、校則変更。来年度の校長方針には「誰もが安心してチャレンジできる学校づくり」を掲げています。 また、保護者への情報提供のために、校長主催のオンライン講座も年数回行う予定です。本校には「進学実績の伸長で評価を高めた」という成功体験があり、今も保護者の皆様はそこに熱い期待を寄せてくださいます。しかし、今後は「進学」だけでなく「主体性や探究心」も重視すること、なおかつこの二極は必ずしも対立せず「両立しうる」ことを共有したいのです。探究活動でやりたいことを見いだした生徒は学力が伸び、進学でも結果を出しています。これからの激動の時代に、学校は進学実績ばかり追うのでよいのでしょうか。我々大人のマインドも問い直し、この世界の未来を創っていくための教育を、関係者一同で追求していけたらと思っています。たしろ・ひろかず/1961年生まれ。同志社大学文学部卒業後、大阪工業大学高校(現常翔学園中学校・高校)で英語科教員に。2000年に進路指導部長、学校外の人とも研究会やSNSで交わり、全国規模のセミナー運営等も行う。2005年にガンを患い回復、「もう一度人生を送るチャンスを得た」との思いで教師を続け、教頭や教育イノベーションセンター長を経て現職。一教育者として「本校だけでなく日本の教育も盛り上げたい」という。2024 JAN. Vol.44934生徒も教員も主体的に未来を切り拓けるように(大阪・私立)過去の成功体験に囚われず時代や世界を見すえた教育を

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