変化の激しい時代。これから社会に出ていく生徒たちには、受け身ではなくみずから考え、動き、仕事を創り出していくような思考力や主体性が必要だと考えています。しかし、進路選択の時点から自分で考えようとせず「親に言われるがまま」の生徒がいて…。両親が共に公務員なのですが親から「公務員になったほうがいい」と言われたので、そうします。親が大学・学部についても調べてくれて、志望理由書も一緒に書いてくれるそうです。大浦先生追手門学院大学心理学部教授進路指導の場面で悩む場面、ふと立ち止まる瞬間があっても、立場上、なかなか率直に相談できる相手がいなくて、お困りの先生方も多いはずです。カウンセリングの領域では、カウンセラーが自身の担当する個別のケースについて、熟練した指導者と対話し、自身のカウンセリングの過程や問題点を振り返ることで、より良いカウンセリングのあり方を模索する手法があります※。この連載ではキャリア・カウンセリングの専門家である三川先生と現場の先生方の対話を通じて、現場の先生ご自身が「よりよい進路指導のあり方」を考えていく様子をレポートします。※「スーパービジョン」という手法。事例をもつカウンセラー(スーパーバイジー)と指導者(スーパーバイザー)で行う。担任の私には「その学部での学びにも興味がなさそうだし、本人の適性がまったく考慮されていない」というように見えて心配になりました。自分と同じ職業になったほうがいいと押しつけてしまう保護者、深く考えずに言う通りにしてしまう生徒、どちらにも問題がありますが、同時に教員である私たちも、従来型の進路指導から脱却できておらず、受け身で無難な生き方を誘導しているのではないか、と悩ましく思っています。35高3の生徒Dさん…あなたはそれでいいの? 本当は自分の興味関心や適性をふまえて、進学先も仕事も考えてほしいのだけど…。2024 JAN. Vol.449取材・文/塚田智恵美撮影/平野 愛追手門学院大学心理学部教授。カウンセリング心理学専攻。大阪大学大学院人間科学研究科博士前期課程修了(学術修士)。スーパーバイザーなどとして活躍。2023年5月まで日本キャリア・カウンセリング学会で理事・SV委員長を務めた。 監修&アドバイス三川俊樹先生公立の中高一貫校 クラス担任 大浦先生(仮名) 50代前半次ページではこのケースについて、三川先生と対話していただきました。
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