キャリアガイダンスVol.449
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める探究活動を展開。1年次には、自分を知る、問いを立てる、表現する、地域を訪れるなど探究の基礎を座学やフィールドワークを通して学び、グループごとに課題を設定して探究を行う。後期には、例えば文化祭で来場者にアンケートを取るなど、実際に調査や実践を行う「プチアクション」に挑    戦。自ら一歩踏み出すことで、2年次の本格的な探究活動の土台を構築する。2年次は、前期はグループ探究、後期は個人探究を基本とし、フィールドワークを通して興味・関心のある地域の課題を見つけ、課題について調べ、情報を整理・分析し、まとめる…という一連の探究サイクルを2周回す。例えば前期は、鶏を平飼いして卵やプリンを販売している人、古家具をリニューアルして販売している卒業生、閉鎖した酒屋を観光名所に再生した人など、多様なバックグラウンドをもち自分らしい生き方をしている地域の人に話を聞きに行く。「いろんな生き方があること、いろんな大人がいることを知り、自分はどう生きるか、どう生きたいかを生徒自身が考え、探究テーマを見つけるきっかけにするのが目的」と金子先生。質問をする、聞いたことをまとめる・伝えるといったスキルを身につけることも意図している。また、2年次には学校横断型探究プロジェクトに参加し、年3〜4回ほど他校の生徒とオンラインで学び合う。6月には自分や学校のことを紹介し合うアイスブレイク交流会、7月にはゲスト講演会に参加。秋にはテーマが決まらない生徒に個別に対応するメタバース相談会が行われ、アドバイスをもらう生徒もいる。10月の探究テーマ別の交流会では、近いテーマで探究する生徒同士がつながり合い、ゼミ形式で自分の探究の進捗を報告したり悩みを相談したりする。さらに、2月には発表会が行われる。今年度、小瀬高校に着任した小松﨑真未先生は、「普段はあまり発言しない生徒が積極的に質問をする姿が見られて驚いた」という。「オンラインかつ相手は他校の生徒という状況のなか、普段の教室とは違う関係性や心理的安全性が生まれているよう。他校の生徒や先生から評価されたり共感してもらったりするのも、新鮮で嬉しいようだ」と生徒の様子について語る。金子先生も、「最初は交流に消極的だった生徒も、実際にやってみると意外とできたと自信をつけたよう。年数回の交流の機会がマイルストーン的な存在になっていて、他校の生徒から刺激を受け、良い意味で負荷がかかり緊張感も生まれている」と効用を感じている。また、教員同士の交流による知見の共有やつながりの広がりも、金子先生、小松﨑先生にとって大変心強いものとなっていると言う。さらに、最終の3年次には、探究で深めてきたことを踏まえて、どのような進路を選ぶのか、どう生きるのかといったライフデザインを描いていく。例えば、2年次に独居老人をテーマに探究をしたある生徒は、独りで暮らす地域の高齢者にインタビューを行った際に感じたことを踏まえて、就職に際してどのような介護福祉士になりたいか、どのような施設で働きたいかを深めていったという。「探究活動において重要なのは動機の源」と金子先生。「動機の源があることで、探究活動をキャリア教育や将来の生き方につなげていける」と言う。一方、この動機の源の希薄さは、課題でもある。「本校の生徒の多くは、与えられたことにはしっかりと取り組みます。その素直さは長所でもあり、自分から次の一歩が踏み出せないという短所でもあり…。心からやりたいと思えることをなかなか見つけられない生徒が多いのが実情です。その壁をなんとか乗り越えてほしいと、探究活動では自分からアクションを起こすこと、独自のデータを取ることを課しています。地域の方々は本当に協力的で、高校生のためならと快く応えてくださり、メンターとして関わってくださる方もいます。この恵まれた環境を活かすためにも、生徒の〝やりたい〟を引き出すことが大事だと実感しています」(金子先生)授業では、活動の折に触れてルーブリックを照合して自己を振り返る時間を設けている。「アクションの結果や最終成果物のクオリティで評価するのではなく、どのようなアクションを起こしたのか、探究活動を通して何を学んだのかというプロセスを重視している」と金子先生。ルーブリックに記された3つのステップについても、「全員がステップ3を目指すべきだということではない」と言う。「自分の現状はどこに当たるか、以前に比べてどれだけ成長したか、自分はどこを目指したいか…を認識する目安としてステップを設けています。今後は、このルーブリックをさらに活用し、自分を大切にする、他者とつながる、地域・社会に関わるとはどういうことかを生徒自身が深めていけるようにしたいと考えています」(金子先生)生徒の「やりたい」を引き出し、探究を生徒の未来につなげたい1年次には地元の農家さんに、グループごとにインタビュー。課題や工夫について聞き、もう一方のグループに伝える(左上)。また、インタビュー前には、「どんな質問をすれば答えをさらに深められるか」をテーマに、グループで話し合いながらワークシートを埋めていく(右上)。さらに2年次には、卒業生が運営する古家具工房などを訪問(左下)。学校横断型探究プロジェクトにも参加し、オンラインで他校の生徒と交流しながら自身の探究を深めていく(右下)。2024 JAN. Vol.44944

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