キャリアガイダンスVol.449
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の興味関心や探究テーマに合わせて訪問先や研修内容を考え、飛行機の手配も自ら行う。初年度は海外12コース、国内12コースを実施した(図6)。飛行機の乗り間違えや荷物の重量オーバーなどさまざまなトラブルはあったが、研修から帰ってきた生徒たちを見て、教員は手応えを感じているという。 「それぞれが自分たちで考えて行動し、非常に充実した活動ができたようです。人生観が変わったという生徒や、これからどこにでも行けると自信をつけた生徒もいます」(宮坂先生)こうしたさまざまな仕掛けや探究をコアとしたカリキュラムのなかで、生徒はどのように成長しているだろうか。進路支援係副主任の塩原潤先生は、自身の数学の授業中に垣間見える生徒の変化を挙げる。 「生徒が口にした素朴な疑問から周囲の生徒と議論が始まるなど、数学の授業でも探究する姿が見られます。また、ほかの教科においても、探究学習に必要な知識の不足を感じたことが勉強のモチベーションになっている生徒が増えているようです」学びに対する考え方の変化が、進路選択にも表れている。数年前まで卒業生の進路は地元の国立大学である信州大学に集中していたが、近年は地域も学部も多様化し、海外の大学を選択する者も出てきた。 「探究学習で取り組んだテーマをもっと深めたいと進学する生徒も多く、それぞれがやりたいことや目標を明確にして進路選択しているように感じます」(塩原先生)生徒に高校生活での自身の変化をたずねると、「自分の好きなことを自力で進める力がついた」「挑戦する力と度胸が身についた」「失敗しても立ち直れるようになった」「試行錯誤することを楽しめるようになった」と、さまざまな成長の様子が挙がった。学びのあり方を変えるために、授業時       間の削減や個別海外研修の実施など、特徴的な取組も実現させてきた同校。その背景には、教職員の「とにかくやってみよう」という機運の高まりがある。 「最初からガチガチに固めない緩やかな計画で、とにかくやってみる。やってみて問題点が見えたら、次年度の改善につなげてきました」(宮坂先生)研修、管理職のリーダーシップ、まだ成功体験が少ないからこそ思い切った取組ができる若手教員の活躍などが、同校の挑戦を加速させている。 「自律的に探究し続ける人を育てようとするなら、まず教員が自らその姿を見せることが大切です。私たちが一歩踏み出エビデンスに基づいて議論する教職員してやってみようとすることで、生徒も失敗を恐れず前向きに挑戦することを後押しするはずだと思います」(鈴木先生)その先に、生徒が自ら学校を動かすようになることも期待されている。 「ここまでは地域からの要請や教員主導できました。次の段階として目指したいのは、生徒が主体となって教員に働きかけ、地域も巻き込み、動かしていく学校です。そんな学校づくりに向かっていけたらと思います」(宮坂先生)探究を楽しみ、授業中も探究進路選択にも変化個人グループ「とにかくやってみよう」教員の意識から変えてきた一時は不要と思った大学進学に意味を見いだした高校入学後、学校外のさまざまな人の生き方や考え方に触れて、それまで漠然と思っていた単線的な進路に疑問をもち、「大学進学は必要ない」と思った時期も。しかし、探究学習に取り組むうちにその考えが覆りました。私は探究学習が楽しくて良い学びだと思うのに、面倒だと言う人もいます。そこで、みんなの探究モチベーションを高めることを探究テーマにして、LINE相談窓口の設置やワークショップ開催などを行いました。そのなかで将来、探究学習の改善に携わるという目標ができました。そのための理論や知識を大学で身につけたいと、今は受験勉強をがんばっています。 (国際探究科3年生・中嶌桃和子さん/写真右)探究に打ち込み、学びたい分野に広がり個人探究では、自分の「好き」から発想していきました。そこで気づいたのは、趣味の釣りで使うルアーはプラスチック製が多く、マイクロプラスチック汚染につながっているのではないかということです。環境に優しいルアーができないかと、最初はゼラチンでグミのようなルアーを作り、実際に釣ってみて、失敗。ほかにも何パターンも検証して、最適な素材を絞り込んでいきました。自分のアイデアの商品化にも興味が湧くようになり、大学は経営工学分野に進みたいという目標につながりました。 (自然探究科3年生・伊藤蒼介さん/写真中央)挑戦する力と度胸が身についた中学までは受動的なタイプで、最初、探究活動にも自信がありませんでした。個人探究では、子ども食堂でのボランティア活動の経験を基に、助けを必要とする人がきちんと子ども食堂を利用できるようにすることをテーマに設定し、市役所や児童相談所などの協力も得ながら、子ども食堂の正しいイメージを伝えるさまざまな広報活動に取り組みました。「迷惑がられるかな」という考えを一切捨て、自分のやりたいことや関わりたいことに突っ込んでいく。そのなかで挑戦する力と度胸がついたと思います。 (普通科3年生・伏見百々花さん/写真左)2024 JAN. Vol.449個別海外研修では、アメリカ西海岸で現地の高校生との交流や、タイの歴史や文化に触れるなど、生徒自身がデザインした学びを実施する。図6 探究科「個別海外研修」の行先(2022年度)Interview51● アメリカ(ダンスレッスン)/7日間● アメリカ(博物館プラン)/7日間● インドネシア/9日間● ニュージーランド/10日間● オーストリア/7日間● タイ/5日間● 国内 12コース● カンボジア/8日間・12人● イタリア/8日間・8人● フランス/8日間・13人● アメリカ(西海岸)/7日間・13人● アメリカ(東海岸)/7日間・6人● オーストラリア(添乗員つき)/9日間・25人

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