キャリアガイダンスVol.449
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子どものころから数学が好きだった仙道先生は、中学生の時から将来の夢に学校の数学の先生を挙げていた。もっとも、そこから現在に至るまでは紆余曲折を経ることになる。大学は教育学部に進学。講義の中でより専門的な数学にもふれると、難解さに音をあげたくなることも出てきて、数学が嫌になる人の気持ちもわかるようになった。一方、数学教育学はずっと好きで、学校での教育実習にも勇んで向かった。ところが、実習を終えるころには「学校の先生には絶対ならない」と決めていたのだ。「大学進学の前に僕は1年浪人したのですが、予備校で受けた数学の講義が面白くて、こんな授業をしたいと思っていたんですね。ですが実習で、学校の授業は指導案の組み立てから細かく決められるように当時は感じてしまい…。大学で文化祭実行委員長をしたりと、企画するのが好きだったので、志望先を塾業界とテレビ業界に絞って就職活動しました」結果、大手塾から内定をもらう。勉強が苦手な層から得意な層まで、子どもに合わせて個別指導や集団指導をする塾だった。その塾の入社前研修が充実していて、仙道先生は同期入社の仲間と生徒役と先生役に分かれて模擬授業をくり返し、授業をするための基礎を培った。「授業の導入で心理的なハードルを下げたり(図3参照)、教科書に載っていなくても『何のためにこれを学ぶのか』『今までの学習とはどう結びつくのか』を示したり。台本をよく練り、しっかり頭に入れて授業に臨むと、目の前の生徒に応じたアレンジや強調ができることを実感し、準備することの大切さを学びました」高校に勤務。30代半ばになり、この先どう働いていきたいかを考えたとき、一度は避けた公立高校の選考を受けることを決意、採用されて1校目で赴任したのが、今の村田高校だった。生は、数学のほか、総合学科の教員として自分のクラスの「産業社会と人間」の授業をもった。これがまた転機となる。「産業社会と人間は、生徒が自分について知り、産業や社会のことも学ぶ授業。教えるにあたり、社会の変化や社会で求められる力に僕自身も今まで以上に関心をもつようになりました。同時に、この授塾で経験を積み、次に通信制の私立赴任後、1年生の担任となった仙道先業を地域に即した特色ある学びにできたらより面白そう、とも感じたのです」3年間持ち上がりで生徒を卒業まで見守ったあと、赴任5年目で、仙道先生は1年生の学年主任に就任。「生徒にどうなってほしいか」を学年全体も見据えて考えるようになる。そうして学年団の先生たちと形づくったのが、「産業社会と人間」と「総合的な探究の時間」を軸に、生徒たちが高校3年間にわたって地域の課題解決に挑む活動だった。村田町のPRのためのCM制作、地元の蔵を使ったビジネスの創出と実践、外部への発信。活動を生徒が進めるにあたり、仙道先生は社会に出たあとのことも見越して「無理とは思わずに前向きに取り組もう」と投げかけてきた。そしてその視点が自身の中に根をおろしていくと、探究活動だけでなく、数学の授業でも、諦めない姿勢をより意識的に育みたいと思うようになった。「数学」や「授業」のいろいろな側面を味わって社会を見つめるなかで授業への思いが深まった数学で習う計算手法や概念には、名前からして難しそうで、生徒を身構えさせるものが多い。それを「人の名前だよ」「こういうものだよ」と伝えるだけでもイメージは違ってくる。「産業社会と人間」で行った地元のCM作り。これを機に、蔵を使ったビジネス創出を町から依頼され「総合的な探究の時間」に挑むことに。自分たちで課題解決を目指し、大勢の前で発表し、メディアにも取材されたことが、生徒の自信になった。       創立1924年/総合学科 生徒数165人(男子85人/女子80人)進路状況(2023年3月卒業)大学6人、短大2人、専門学校等24人、就職34人 仙道先生とは普段から授業で使えるアプリやWebサービスを紹介し合ったり、進路や探究活動の情報交換をしたりしています。共通した思いとしてあるのは「生徒にもっと自信をもってほしい」ということです。例えば私は英語の授業で、出されたお題を生徒が隣の人に即興で英語で説明し、相手が当てることを毎回行っています。ゲーム感覚で楽しみながら「自分の英語表現が通じた」という達成感を得てほしいからです。仙道先生も数学の授業で、生徒が楽しみ、自分の成長を感じていく取組をされています。しかも生徒への眼差しが優しく、一人ひとりから「何がわからないか」「どうすればいいか」を引き出すのがすごくうまいんですよ。 仙道先生が牽引した地域連携の探究活動でも、生徒たちは体験を通して自信を培っています。私としては、探究活動で見いだしたことを英語でも発信する機会を作るなどして、生徒の学びをさらに有機的につなげていけたら、と思っています。総合学科の高校。1年次は基礎学力の定着を図り、2年次より「商業実践」「介護福祉」「機械・自動車」「言語・自然科学」の4系列から生徒が自分に合ったコースを選択し、専門的な学習に取り組む。校訓は「誠意、勤労、識見、気魄、協和」。2024 JAN. Vol.44956図3 ハードルを下げる導入一例村田高校(宮城・県立)INTERVIEW・教科を超えたつながり楽しみながら達成感もある授業をしたい英語科鈴木健人先生

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