授業については年2回、生徒にアンケートを取っていて、感想には「わかりやすい」「楽しい」という声が多い。授業の工夫が実った結果と言えるが、生徒に話を聞いてみると、仙道先生が醸し出す雰囲気も関係しているようだ。皆が口を■えて語ってくれたのが、「仙道先生は話しかけやすい、わからないことがあってもすぐ聞ける」ということだったからだ。実際、仙道先生は「生徒がわからないままでいるなら自分のせい」と捉えているので、生徒のわからない状態を責めはしないし、むしろ問われるのを歓迎している。その置いていかれない安心感も、楽しさに一役買っているとみられる。 ちなみに仙道先生自身は、今後の目標に「教員に求められる全業務に対して苦手意識をもたずにやること」を掲げている。数学が苦手な生徒から、好きで本気で学びたい生徒まで、多様な生徒の力になれるよう指導の幅を広げたい。探究活動やICTの可能性もさらに追いかけたい。それは自分の成長のためでもあるが、何よりも「生徒に『無理という壁を作らないで』と言っている以上、まず自分がその姿を示したい」からなのだという。「生徒の目から眺めたときに『言っていることと行動がぶれていない』『自分のことを見てくれている』と思える教員であってこそ、その生徒たちと信頼関係を築くことができ、こちらの言葉も届くのではないかな、と思っているんです。社会の中で物事とどう向き合っていくか、自分のスタンスを行動でも示すことで、生徒に何かしらのプラスの影響を与えられる人になれたら、と思っています」「わからない」で終わらず学ぶことを楽しむように■■■■■■クイズではハイタッチして喜ぶ生徒や、頭を抱えて悔しがる生徒も。各自が準備段階の問題演習をがんばった証でもある。写真左より、1年生の遠山大輝さん、村上希加茂徠愛さん、我妻遥斗さん数学は「大半の人がどこかの段階で難しいと感じ、嫌になるもの」と仙道先生は捉えている。だから授業中にやる気のない生徒がいても腹は立たず、そこでサポートして楽しさを取り戻させるのが教員の役目の一つと考えている。――仙道先生の数学の授業ではどんなことをされていますか?村上さん 初めに3分間テストがあって、復習をしながら計算力も鍛えています。我妻さん 単元の終わりとかに、タブレットとアプリを使った復習もしています。加茂さん ちゃんと身についたか、全員でゲームをして確かめることもします。遠山さん 点数が近い人に負けたくなくて、ゲームはすごく盛り上がるんですよ。――授業を通して、自分の中で少し変わったと感じる部分はありますか?加茂さん 嫌だった数学がちょっと好きになりました。ゲーム感覚で学べるのが楽しいし、わからないところは仙道先生が一人ひとり回って教えてくれるので。我妻さん アプリで問題を解き、わかったら次。何回もやるうちに理解できることが増え、苦手だった数学が結構得意と言えるようになりました。村上さん 前は数学をもうやりたくないと思っていたんですけれど、今は問題をすらすら解けたり、成長を感じるので、楽しくて、こうしたらどうかなと自分でよく考えるようになりました。遠山さん 今の授業は友達と一緒に解いたり勝負したり、達成感があるんです。仕事とかも、達成感を得るためにがんばりたいと思うようになりました。2024 JAN. Vol.449自信がついてきて学ぶことに積極的になると、生徒同士で教え合うことも自然に出てくるそうで、それが仙道先生は嬉しいという。葉さん、「順番に解くと、今の問題で理解したことを基に以降の問題を解ける」ように、演習用の問題を作成。生徒が自分で思考を深めていけるように促し、問題に意欲的に取り組めるように学んだことで仲間と競うゲームも行っている。基礎を学んだあとの応用では、数学を社会に生かすことにも挑戦。三角比を使って校舎の階段の傾斜の違いを比較したり、都道府県別のデータから相関のありそうなデータを生徒が抽出し、検証したりする。生徒の服装の乱れを注意する立場なら、まず自分がきちんとネクタイをする。生徒に「無理と思わないで」と求めるなら、教員としても挑戦し続ける。行動でも示すことで、言葉が届くようにしたい、と仙道先生は考えている。生徒INTERVIEW57嫌いや苦手を前提に考える・ 授業で「やればできるんだ」「がんばって取り組んだら楽しかった」という体験をしてほしいです。・ この社会で複雑な問題と向き合うときも、端から無理だとは思わずに、苦手なことがあってもできるだけ楽しみ、諦めずに取り組んで、自分たちで壁を乗り越えていってほしい、と思っています。出題の工夫とICTで定着支援学んだことを社会に生かす生徒に望むことを行動でも示す続けることで理解が深まり成長や達成感を楽しめるように
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