キャリアガイダンスVol.449_別冊
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の教育環境・教育体制について次のよう語る。 「本学は、開学以来“学生中心の大学”を掲げ、それを前提に、“価値創造を実践する世界市民の育成”を教育理念としてきました。これを実現するため、学部の区分を超えた共通教育では、①自立した学習者となること、②他者と協働する力の育成、③適切に表現・発信する力の育成の3つを柱としています」 これらを達成するための支援の一つが、教職員からのきめの細かい働きかけだ。2018年度から共通科目化した初年次セミナーは、入学後の半年間、大学で学ぶために必要なマインドや態度、基礎スキルについて、10人程度の少人数クラスを編成して、担当の教員(「教員アドバイザー」と呼ばれる)が一人ひとりの顔を見ながら指導する。 「高校生から大学生になっていく最初 卒業までの学びの計画を立てるためには、同じく共通科目として1年次からスタートするキャリア教育も重要な意味をもっている。その基本となるのが「自分の未来を(Self-Future)/自分の力で切り拓く力をつけ(Self-Frontier)/自身の基盤を築く(Self-Foundation)」F3プログラム(図2)だ。けるようきめ細かく指導します。さらに、それぞれの学生の4年間の学びの計画や自分の目標に合った履修科目の選び方などを一緒に考えていきます」応を目的に教職員が定期的にサポートする寮アドバイザー制度もあり、教職員が多面的に学生を見守り、支える体制が整っている。 このように学ぶマインド・態度を醸成すると同時に、個別・具体的な「社会で役立つ力」の養成を目指す共通科目も充実している。例えば、③適切に表現・発信する力に直接つながるのが「学術文章作法」や語学教育だろう。 「本学の語学教育はレベル別にきめ細かくクラスを設けているのが特色です。また、留学、TOEICなど目的別のクラスも設けています」 また、他者と協働して主体的に学ぶ力の醸成につながるのが、「ボランティア入門」や、地域・企業と連携したPBL科目。このほか、最新の社会的ニーズを反映した「データサイエンス入門」を2021年度からスタートしている。図2さまざまな関わりのなかで、自らの可能性を信じ、力をつけ、人や社会の発展のために力を注ぐことができる学生同士がグループワークやイベントなどを通して交流を深めるラーニングコモンズ「SPACe(スペース)」。施設内のWLCセルフアクセスセンターでは世界各国から集まる留学生とも交流できる貢献力人間力学問の力初年度から学生の成長を支えるF3プログラムの半年間というのは大切な期間です。初年次セミナーでは、この期間を教員アドバイザーが伴走しながら、学生が大学生活のリズムにスムーズに慣れてい仮に大学で何を学びたいかが曖昧な状態で入学した学生でも、初年次セミナーやキャリア教育科目を通して、自分の目標についてじっくりと考え、学びを積み重ねながら、その解像度を上げていくことができる。 なお、教員アドバイザーは、初年次セミナーの期間後も学生の相談相手であり続ける。担当する学生の成績や授業への出欠状況などもチェックし、適宜サポート。3年次にゼミが始まると、ゼミの担当教員に引き継ぐというシステムだ。このほか、寮で生活する学生を対象に、成績不振者の減少、心身の課題の早期発見や適切な対6Vol.449 別冊特集総合的な判断力とコミュニケーションの総合的なシンの能力をもち、豊かな人間性を備えている調べる・読む・書く・伝えるというスキルとともに専門性と教養を備えており、高い語学力をもち合わせている

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