山県倉敷市で生まれ、自分の生まれたまちからほとんど出ることがなく育ちました。高校卒業を機に、地元を出て広島大学に進学。周りの学生たちからこれまでどの国に行った、どの土地を巡ったなどの旅行話を聞いて「みんな、そんなにいろいろな場所に出かけているんだ」と衝撃を受けました。自分ももっと広い景色を見てみたい。そんな思いから、大学1年生の夏休みにヒッチハイクで九州を一周することにしました。車に乗せてもらっている間、窓の外を見ながら「通過するだけで、この土地のことを僕は何ひとつ知らないんだな」と思いました。九州の旅から帰り、もっと日本のまちを見てみたいと思っていたとき、ふと「日本の市町村っていくつあるのだろう」と疑問を抱いて調べてみることに。なんと1741もありました。1日も休まず、毎日1カ所ずつ回ったとして、5年弱はかかる数です。「すごい数だな。この単位で旅をして、すべて回りきった人はいるのだろうか」。そう思うと同時に、僕には「回ってみたい」という気持ちが芽生えてしまっていました。それから2年かけて旅の準備をし、学業と両立しながらアルバイトで旅の資金を貯めました。ただ通過するのではなく、一つひとつの土地で写真を撮影したいと考えました。1741の市町村の写真がすべて揃って、見た人が「あ、私のふるさとがある」と自分の生まれたまちを探してくれる様子を想像したら、なんだかロマンを感じたのです。写真と文章をウェブサイトにアップしながら旅をできるように、独学でウェブサイトの作り方を勉強し、自分のサイトを作りました。2018年3月、大学4年生になる 岡 村を一周する旅を始めました。相棒は年を1年間休学して、僕は全国の市町原動機付自転車のスーパーカブ。いざ全国へ、と出発した初日にカブで転倒。旅にはハプニングがつきものとは思って※登場する市町村数はすべて本人調べ(当時) です。にしな・かつすけ●1996年生まれ。大学在学中に市町村一周の旅を始め、2020年1月に全国1741の市町村巡りを達成。旅の記録をまとめた本『ふるさとの手帖」(KADOKAWA)を出版。2024 APR. Vol.450121741の市町村を巡る旅。見える世界の「外」に触れどう生きたいか考えた
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