キャリアガイダンスVol.450
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いいと思えるようになった」。こう語るに、スタディツアーで三重県熊野市二木    があり、どのコースでもスタディツアーのどんな経験がしたいかを、事前に受け入をつくっていく。環境問題や林業、農業に関心があった大澤さんは、日本で初めてFSC認証※を取得した林業の事業「旅では都会の当たり前の外に出る経験が多く、今までの価値観にとらわれずに、未来をつくる大人にたくさん出会えた。そして、私は私らしく生きれば3年生の大澤結穂さんは、1年次の秋島を訪れた。スタディツアーとは、生徒自らつくる探究型の修学旅行。高1・高2合同で実施される。新渡戸文化高校には探究進学、フードデザイン、美術の3種類コース実施はあるが、探究進学コースでは、長期休暇中の任意参加ツアーを含め、年に2回以上旅することができる。行き先は国内に十数エリアあり、期間や時期、内容はそれぞれ異なる。生徒は自分が行きたい場所を選び、何を学びたいか、れ先の大人たちに伝え、自分たちで旅所があることから二木島を選択した。滞在中、最も印象に残ったのが、意外にも空の美しさだった。「朝や夕方の空も星空も、すべてが綺麗で感動してしまって。東京では空を見上げることがなかったなと思い、学校の屋上から空を見上げるプロジェクトを立ち上げました。課題解決のためとかじゃなく、純粋にワクワクした気持ちからでした。学校に宿泊する許可をもらうために企画書を書いて…前例のない取組のため、先生方に相談しながら進めていきました」学校に宿泊したことを機に防災に関心をもった大澤さん。「防災と学校を掛け合わせたら何ができるか」と考え、学校で防災食を試したりもした。動き続けるなかで脳裏に浮かんだのが、二木島の学校のことだった。20年ほど前に休校になり、校舎は災害時の避難所になっているが、普段は使われていない。卒業生である地元の人たちからも、「何かしたいとは思うけど、何もできていない」という話を聞いていた。そこで、防災について地域の人に知ってもらう活動を学校でやる、というアイデアを発案。大澤さんにとっては自然な流れだったが、結果的に、人口減少に関する課題解決プロジェクトに発展した。2年次の3月、大澤さんはスタディツアーで再び二木島を訪問。災害時の避難経路を映像化して流したり、浸水時の想定水位を壁に投影したりして、地域の人に見てもらった。「空間演出が得意なメンバーを巻き込んで、プロジェクトを進めました。その後、地域の方から、この学校での思い出の写真を投影できないか、という提案があって。卒業後ですが、今年の5月に二木島に行って、実現させる予定です」スタディツアーをきっかけに、さまざまな活動に主体的に取り組んできた大新渡戸文化高校(東京・私立)大澤さんの心を奪った、二木島の空。早朝に漁師さんに連れられて漕ぎ出した海も、印象深い。澤さん。自分でも変化を実感している。「自分から行動するようになって、自分は何か一つに絞るのではなく、幅広くい日本各地を旅するスタディツアーで、自分の「あり方」を問う旅をきっかけに自分を知り、プロジェクトが始まる荒天で星は見えなかったが、学校に泊まり、手作りの望遠鏡で空を眺めたのは忘れられない思い出となった。大澤結穂さん(左)近藤櫻仁さん(右)2024 APR. Vol.45028

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