キャリアガイダンスVol.450
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羽村 一社に勤め続けるのが当たり前、とい三川羽村う時代でなくなった今、生徒たちがみずからありたい姿を考え、主体的に将来を設計していく力を育てることが必要だと考えています。しかし、いまだに従来通りの教科指導や進路指導に留まってしまい、社会の変化やニーズからズレた指導になってしまっている状況も見受けられます。進路指導でも新しい取組が必要だと考えているのですが、協力を求めて職員室で提案したとしても「それに何の意味があるんだ」「本当に進学や就職に役立つのか」「また仕事を増やすのか」といった反対意見が返ってくることを想像し、尻込みしてしまいます。ご自身の考え自体が揺らいでしまう。そのことに何か葛藤を抱えておられるような印象です。これまでに、ご自身の提案を否定され、打ちのめされるような経験があったのですか。ただいた先生が強い意見をお持ちの方でした。私が異なる意見を主張しても、きっ強い力で反対されるのではと思うと、教員になりたてのころ、指導してい三川そうだったのですね。そのときから経羽村三川羽村と歯がたたないだろうと想像してしまい、その先生の意見に従ったものの、モヤモヤした気持ちが残った記憶があります。験を重ねられ、羽村先生ご自身も成長されたのではと思いますが、今も、何かをしたいと思ったときに、他の先生方から協力を得るのは難しいとお感じになりますか。特に、長く経験を積まれている先生方にはなかなか受け入れてもらえないのではないかと…。もちろん、なかには賛同してくださる先生もいらっしゃると思うのですが。若い先生も多くの仕事を抱えているかと思うと新たな取組を提案することに遠慮する気持ちもあって…。おそらく私は、自己表現が苦手なのでしょうね。話す前に相手の反応を想像して、つい自分の考えをのみこんでしまうんです。自己表現には、相手を尊重しながら自分の考えをしっかり伝える「アサーション」という方法もあります(▼P45「対話のキーワード」参照)。ところで、その相手ですが、どなたに対してもご自分の考えを述べるのに抵抗があるのでしょうか?例えば生徒さんに対してはいかがですか?…ああ、そう言われると、生徒に対しては率直に、自分の考えを伝えていますね。面談のような場に限らず、他愛のな相手の反応を想像して自分の考えが揺らぐカウンセリングの領域では、カウンセラーが自身の担当する個別のケースについて、専門家や指導官に話し、自身のカウンセリングの過程や問題点を振り返ることで、よりよいカウンセリングのあり方を模索する手法があります※。この連載ではキャリア・カウンセリングの専門家である三川先生と現場の先生方の対話を通じて、現場の先生ご自身が「よりよい進路指導のあり方」を考えていく様子をレポートします。※「スーパービジョン」という手法。事例をもつカウンセラー(スーパーバイジー)と指導者(スーパーバイザー)で行う。432024 APR. Vol.450社会の変化を日々感じており、時代に即した進路指導に変えていくべきだと考えています。しかし、なかには変化を敬遠する先生方も…。「新たな提案をしても拒絶されるのでは。それなら例年通りの取組をしたほうが、ストレスなく過ごせる」と考えてしまう自分を何とかしたいです。取材・文/塚田智恵美撮影/平野 愛追手門学院大学心理学部教授。カウンセリング心理学専攻。大阪大学大学院人間科学研究科博士前期課程修了(学術修士)。スーパーバイザーなどとして活躍。2023年5月まで日本キャリア・カウンセリング学会で理事・SV委員長を務めた。公立高校 羽村先生(仮名) 30代後半追手門学院大学心理学部教授 監修&アドバイス三川俊樹先生新しい進路指導の取組を提案したいのですが、「変化を敬遠する先生方から否定されるのでは」と想像してしまい、つい言葉をのみこんでしまいます。

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