ていた。スカート丈の規定など、むしろ厳格化したルールもあった。そのなかで、生徒は内面に不満を抱えつつ、「どうせ言っても変わらない」という諦めムードがあったという。そんな閉塞感を打ち破ったのが、21年度の生徒による校則見直しの取組だ。約1年間の取組を通じて、生徒の態度や行動が大きく変わっていった。発端は生徒会役員の話し合いだ。学校の改善点を洗い出すなかで、「厳しすぎる校則を変えたい」という意見が数多く出た。「それには学校としての手続きを踏む必要がある」という生徒会主顧問・山村向志先生の言葉を聞いて、生徒たちは立ち上がった。「まず校長に要望を伝えよう」。資料を作成して校長室に乗り込み、「より充実した学校にするために校則を変えたい」と訴えた。加瀬校長は驚きとともに「これはちょっと面白いぞ」と思い、生徒の挑戦を促したという。校則を変更するには、教員全体に働きかける必要がある。募集で集まった有志生徒と生徒会役員がプロジェクトチームを結成。認定NPO法人カタリバのルールメイキング支援事業を活用し、外部コーディネーターに助言をもらいながら校則見直しに取り組むこととなった。プロジェクトのゴールを「先生と生徒が対立せずに、生徒が主役になれる学校。個性が尊重される学校。より楽しい、自由になれる学校」に定めて活動がスタートした。できた校則と生徒指導の方針を変えることは容易ではない。学校や生徒を大切に思うからこそ、「校則を緩和すると再び学校が荒れてしまうのではないか」と慎重になる教員も多い。全校生徒と教員を対象に校則に関する意識調査を実施。生徒の7割、教員の3割が「この学校の校則は不適切」と考えているという、校則への問題意識を可視化した。さらに、校則見直しに懸念や不安をもつ教員には、その中身をインタビューした。 「生徒は否定的な意見を言われてやる気をなくすのではと心配したのですが、むしろ『先生と本音で話せた』と非常に嬉しそうでした」(山村先生)接に行ける身だしなみ」を大事にしていることがわかった。それは具体的にどんな身だしなみなのか。生徒たちは学校外に出て、適切な基準についてリサーチした。地域住民アンケートや街頭インタビューでは「スカート丈や前髪の規定が変わったとしても印象は悪くならない」という声が9割を超え、卒業生の採用実績のある企業からは「現在の校則より短いスカート丈やツーブロックでも採用の不利にならない」との回答を得るなど、校則とのギャップが見えてきた。 しかしながら、教員が努力して受け継いそこでまず取り組んだのは現状把握だ。インタビューからは、教員が「いつでも面どうしたら再び学校が荒れることへの⑤地域・企業への調査⑥先生との対話会⑦新校則の検討・提案⑧新校則の試行・適用生徒の問題意識を基に始まった生徒主体のプロジェクト多様な意見の教員と対話し生徒を巻き込み学校を動かす532024 APR. Vol.4501978年設立/普通科生徒数450人(男子236人・女子214人)進路状況(2023年3月卒業生)大学36人・短大10人・専門学校59人・就職45人・その他2人校長加瀬直人先生校則改定の草案を作成して職員会議に提出し、自らプレゼン。全校のクラスごとにワークショップを実施。京葉工業地域の発展による人口増加に伴い開校。生徒数の減少のなかで生徒の問題行動等が目立つようになり、2004年より学び直しの学習指導と徹底した生徒指導の両輪で学校改革を推進。現在は地域からの信頼を回復し、進路決定率は100%近い。2021年に普通科でモノづくりコースがスタート。第14回キャリア教育優良教育委員会、学校及びPTA団体等文部科学大臣表彰。スカート丈や髪型に対する考えや、校則を変えていくうえでの課題について、生徒と教員が校則について本音で話し合った。近隣の自治会に参加し、校則に関するアンケート協力を依頼。最寄り駅での街頭インタビュー、企業へのインタビューを実施。生徒会主顧問山村向志先生生徒指導部長服部康隆先生2月を新校則の試行期間として設定し、本当に学校が荒れるかを検証。4月から正式に新校則を適用。
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