キャリアガイダンスVol.451
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で解決策を探し、自分の考えをまとめる探究学習に取り組み始めた高校もあり、「総合的な探究の時間」と名称が変わる前から小誌でもたびたび先進校の実践例として紹介してきた。そして新学習指導要領が実施され始め、その下で学ぶ生徒たちが3年生になった今、改めて探究活動がどのように学校現場に浸透しているのか、先生たちは何に悩み、生徒のどんな変化を感じているのか、また探究学習で学ぶ意義についてデータを基に考えてみることにした。ここで紹介した数値には表れないところでも、探究科や探究コースの新設情報を目にすることも多くなったのではないだろうか。大学の入試でも総合型選抜のなかで特徴ある探究入試を実施することで、より生徒が学びたいことと自学の学びのマッチングを図ろうとする大学も数多く存在し、今後も増えていくことが予想される。特に国立大学での総合型選抜の増加は、従来の知識もおろそかにすることなく、幅広い資質・能力や学びに対する姿勢が求められていることを物語っている。それは言うまでもなく、大学の出口である社会が求めている力だからだ。全国の先生たちの思いと共に、学びのこれからを考えるために、探究の近況を見ていくことにしよう。   11ほとんどの学校の先生が、探究活動が生徒の進路選択へつながると考えており、回答選択肢のいずれも半数前後に及んでいる。なかでも「地域や社会への興味・関心が高まる」が最多で、生徒が実社会とのつながりを認識しやすい学び方が探究活動だと捉えられているようだ。2024 JUL. Vol.451※株式会社リクルート「高校教育改革に関する調査 2022」報告書より編集部にて再構成先生たちにとって従来の教科とは異なるアプローチが必要とされる「総合的な探究の時間」についての課題は、「教員の負担の大きさ」が群を抜いて最多だった。自身の担当教科プラスαの仕事と感じて模索中の先生や学校も多く、生みの苦しみの時期なのかもしれない。特集 今、探究をどう進めるか?

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