キャリアガイダンスVol.451
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全国の学校で取組が始まった探究の近況について、現場の先生たちは今までとは異なる生徒の成長や変化を感じ始めていることがデータでも見て取れた。その一方で実際に授業を行ってみて、負担感や自身の認識不足などを抱え、混乱している学校もあるかもしれない。今一度、原点に立つと、「総合的な探究の時間」がカリキュラム化された背景には社会の変化があり、求められる資質・能力の育成のために、今までとは異なる学び方も必要とされていることは先生たちも認識のうえ取り組んでいると思う。さらに、学びの主役である生徒たち自身が探究活動へ高い期待を寄せている。改めて、学校で探究活動を行っていく意義や、社会とのつながりについて、次ページ以降で具体的に考えていきたい。  13自身の学校で探究学習が重視されているかについて、2019年の調査では感じている生徒が半数以下だったのが年々増加傾向にあり、2023年の調査では6割以上が重要視されていると答えている。生徒たちも自分たちが身につけるべき学び方や学校の変化を確実に感じ取っている。「総合的な探究の時間」を通じて「自己の在り方や生き方、興味関心への理解が深まった」と答えた生徒は26%。「総合的な探究の時間」がスタートして1年半経過した時点で1/4の生徒が自身の変化を感じられていることは、今後の効果を期待できるのではないだろうか。2024 JUL. Vol.451探究に対して教科での学力とは異なる能力が養われることへの期待をフリーコメントで回答する生徒も多く、探究学習が重視されることについて「期待できる」と肯定的に受け止めている生徒が64.7%と、生徒たちの探究への前向きな気持ちが数値でも表れている。※末尾カッコ内の表記は[都道府県/性別/希望進路]※一般社団法人全国高等学校PTA連合会・株式会社リクルート合同調査 第11回「高校生と保護者の進路に関する意識調査」2023年報告書より編集部にて再構成●探究活動についてプレゼンテーションを行ったのだが、その場面の発表で、自身がプレゼン資料を作るのを得意としていることを実感した。[宮崎県/女子/大学]●SDGsで水の問題について考えたとき、自分には何ができるのかや、世界の深刻な状況を知ることができた。[秋田県/女子/専門学校]●話を聞くだけではわからなかったことが、自分たちでなぜそうなるのか話し合い答えを見つけることによって、知識が定着した。[奈良県/女子/専門学校]特集 今、探究をどう進めるか?生徒たちは生徒たちは期待している!期待している!?探究に探究に

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