キャリアガイダンスVol.451
18/66

そうならないためにも、取組に際して3つの質問を自分なりに考えてみてはどうでしょうか。■「学習指導要領ではなぜ探究を重視しているのでしょうか」 ■「あなたの学校ではなぜ探究に取り組むのでしょうか」 ■「あなた自身は探究についてどう思いますか」組織人として■を正しく理解することは必要ですが、それだけではやらされ感が生じかねません。■がMUSTだとしたら、■はWILL。「自分はこうしたい」という意志は欠かせません。もちろん公教育を担う以上、社会全体を視野に入れる必要があり、それが■の理解です。個人の思いと学校の狙いが重なる部分をいかに広げるか。それもまた教員の探究課題になる気がします。冒頭に投げかけた「流行りのキーワードに振り回される学校と、キーワードを共通言語にして教育力を向上させる学校の差はどこで生じるか」に対する私なりの答えは、なぜそれをするのかという本質から考え、共有できているかどうかの差だと思います。WHY(なぜするのか)が忘れられ、HOW(どのようにするか)ばかりに目が行く学校の違いと言ってもいいでしょう。「何のために探究をするのか」。この哲学をもち共有することが取組を成功させる鍵だと思います。先に「生徒を学びの主体へと転換する」「学びのオーナーシップを生徒に」とも述べましたが、学ぶのは生徒だけではありません。教員も探究し続ける必要があるはずです。教員にとっての永遠のテーマは「より良い授業づくり」でしょう。そのためには知識や技能だけでは足りません。仮説を立て、検証し、改善する。行きつ戻りつしながらも探究サイクルを回し続けることです。より良い授業をつくろうと思うと、その根っことして「なぜこの教科を生徒は学ぶのか」という本質をついた問いが必要です。そうやって教員が探究していると、同じように探究している仲間が全国にいることに気づき、力が湧いてきます。それもまた探究を進める原動力になるでしょう。「より良い授業づくり」こそ教員にとって最大の探究課題大切なのはHOW(どのようにするか)ではなく、WHY(なぜするのか)     学習指導要領ではなぜ探究を重視しているのでしょうか?■HOWの前に、まずWHYを大切に■「〜しなければ」ではなく「〜できたらいいな」と考えてはどうでしょう■同僚の先生は、どのような考えをおもちでしょうかあなたの学校ではなぜ探究に取り組むのでしょうか?あなた自身は探究についてどう思いますか?2024 JUL. Vol.45118

元のページ  ../index.html#18

このブックを見る