キャリアガイダンスVol.451
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テーマ学校外連携各学校の先生方が考案され、実践されている取組や方針をご紹介します。御校で探究に取り組まれる際のヒントとしてご覧いただければと思います。 第Ⅰ期(2006年度〜)から継続してSSHに指定され、今年度、第Ⅳ期3年目を迎える。第Ⅳ期は、「新しいことに挑戦して探究するための資質・能力を、“全ての教育活動”で育成数科の課題研究、普通科の探究に加え、2020年度から夏休みに希望選択制・学科学年不問の「STEAM特別講座」をスタートさせました。「ワクワクする好奇心から新しい知を創出する」をキャッチフレーズに、行政、企業、大学・学校、卒業生らと連携し、現在は20あまりの多彩な講座※を設けています。 外部連携が進むきっかけになったのは、初年度のSTEAM特別講座の一つ「加古川市の地域デザインを考える」でした。生徒たちがどんどん主体的に動き出し、加古川市長らの前でプレゼンをするほどに活動が盛り上がったんです。それをきっかけに、行政や民間企業とのつながりができ、そこからのご紹介などで連携先が芋づる式に増えていきました。特に中国銀行は、本校のニーズに合わせて自社の取引先をつないでくださるなど、ハブ的な存在となっています。また、新たな連携先を開拓すべく、担当教員が学会やセミナーなどに積極的に足を運んでいます。登壇者や参加者らとその場で名刺を交換し、後日、メールで教育活動への協力を依頼すると、多くの場合は快く引き受けてもらえます。 外部との連携の際に心がけているのが、本校としての目する」を目標に掲げ、探究を軸に、全教科の通常授業でベーシックスキル(発表、課題発見、データ分析、思考力等)を育成することに取り組んでいる。STEAM特別講座からスター 取材・文/松井大助、笹原風花※2023年度のSTEAM特別講座と連携先の一例:「画像認識で世の中はこう変わる!〜画像認識研究の最前線〜/兵庫県立大学」「日本語学校で海外留学生と交流しよう/KIJ語学院」「Premiere Proで動画作成!/神戸大学学生(卒業生)」「データベースで政策提言しよう(地域デザイン)/加古川市」「かがくえほんを創ろう/アトリエPetata」「起業家ワークショップ〜稼ぐ力が身に付く起業〜/(株)ROX」「電子工作×micro:bit/京都大学学生(卒業生)」「動物骨の構造を見てみよう!!/九州大学学生(卒業生)」標ややりたいことを伝えて理解してもらうこと、そして、最初はスポット的に依頼してうまくいきそうかを試すことです。連携してどうしたいのかが曖昧、相手に丸投げ…ではうまくいきませんし、相性もあります。事前に打ち合わせを重ねて、こちらの希望と相手ができることをすり合わせ、生徒にしっかりと伝わる方法を教員が考えることも大事だと感じています。 大人の話を聞いたり大人と議論したりすることで、生徒の世界は大きく広がり、社会性や主体性が育まれることを肌で感じています。教員にとっても外部との協働は刺激的で得るものも多くありますし、何よりも楽しいんですよね。課題は、外部連携を持続可能な取組にすること。そのために、CSR(企業の社会的責任)や広報的な部分で連携先にとってもメリットがあるWin-Winの関係構築と、担当教員に異動があっても取組が引き継がれるような内部共有を心がけています。トした外部との連携は、理数科の課題研究や普通科の探究のシーンまで広がり、2024年度は16の企業や自治体、大学・学校などと連携している。2024 JUL. Vol.45130学校外とのネットワークづくり、難しい…セミナー等に参加し、新たな連携先を開拓しています。加古川東高校 (兵庫・県立) 教育企画部 SSH主任:理数科長 新 友一郎先生、同 STEAM担当:谷口正明先生探究のお悩み

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