キャリアガイダンスVol.451
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テーマ学校内連携■■■■特集 今、探究をどう進めるか?1年次に生徒が地域に出てヒト・モノ・コトにふれる。2年次にその体験も踏まえ、取り組みたい地域課題を設定、現地調査を行う。同校は卒業後に地元に就職する生徒が多いが、探究によって就職先のほかにも地域との関わりをもてる卒業生が増え、「社会に参画する土壌が豊かになった」と小髙先生は感じているという。2024 JUL. Vol.451珂川学という、本校のある那珂川町を舞台とする探究学習を始めたのは9年前。協力してくださる地域の人を探してはつながり、形にしました。その過程で、町には生徒の学びの資源がたくさんあると実感し、ぜひ続けたいと思うように。ただ、その計画と実行はやはり大変で、この先も関わる教員が毎年ゼロから始めるなら、負担が重すぎるとも感じました。だから、教員間の引き継ぎを意識するようになったのです。 立ち上げた地域連携の取組については「どういう取組で」「地域の誰に相談すればよいか」がわかる一覧を作り続けています。地域関係者との打ち合わせには、ほかの先生にも同席してもらっています。私が魅了された町のヒト・モノ・コトを「こういうの知っています?」と先生方に発信もしています。ほかの先生にもこの町を「面白い」とまずは感じてもらい、ご自身から関わりを深めていただけるように。探究の取組は「義務感でやる」ことになると、途端に辛くなりますから。 私の異動後も全体を把握している人がいるように、連携する町役場の方と交渉し、町として地域コーディネーターも雇っていただきました。探究学習の発表を、町との合同開催にできないか相談し、来賓との連絡調整や会場準備でお力添えいただくなど、業務の分担も目指しています。33研修手法をまとめた冊子も作成。目次は小誌サイトから、全体は同校HPからダウンロードできる(要アンケート回答)。※ダウンロードサイト:リクルート進学総研>> 刊行物>> キャリアガイダンス(Vol.451) 1年次に、生徒の興味・関心や自己の在り方・生き方をふまえてテーマを設定。特にテーマ設定には力を入れ、GoogleドキュメントやMiroなどの支援ツールで生徒の共創を促進している。課題研究を支援する会議を設定し、進捗、困りごとを共有し改善につなげて生徒を支援している(小誌447号の連載「教科でキャリア教育」に関連情報あり)。題研究による探究の推進に当たり、ワークショップ型の職員研修をくり返してきました。「目指す生徒像」「評価のあり方」「生徒への問いかけや関わり方」等を教員同士で話し合い、意識の共有を図っています。講義型の研修でやり方を伝授するというより、皆でアイデアを共有していく形の研修をすると、意見交換のなかにも個々の教員の強みが発揮され、主体的に探究に関わることができるように思います。現在も研修や担当者会議では双方向性を重視。「困り感の共有」「各教員のもつ暗黙知の可視化」「目指す生徒像の確認や更新」等を進めています(前田敏和先生)。 SSH研究部副部長として、どうすれば皆が意見を出しやすい場にできるか模索しています。「こうしてください」とただ伝えるトップダウンになって、いたずらに軋轢を生むようなことは避けたいもの。生徒に仲間と協働の探究を求める以上、僕ら教員も「生徒のどんな力をどう伸ばすか」を、皆で楽しく探究することを目指したいと思っています(川口祐樹先生)。教員間で意識や知識の差が大きくて…「面白さ」を共有しながら引き継ぎ・分担しています。馬頭高校 (栃木・県立)那珂川学担当:小髙圭美先生方向性や困りごとを研修等で共有しています。熊本北高校 (熊本・県立)SSH研究部 部長:前田敏和先生、副部長:川口祐樹先生

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