キャリアガイダンスVol.451
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専門学校は専門的な職業に就くための知識や技術を習得するための学びの場。それが通常の認識だ。しかし職業的な専門性も身につけながら、同時に大学で総合的な学問も学んで学士取得もできる専門学校が総合学院テクノスカレッジだ。同校は東京工学院専門学校と東京エアトラベル・ホテル専門学校の2校・ての学科で、「大学コース」を選択することができる。社会が急速に変化していく現代におい    て、目指す職業や業界の変化に対応する学びが求められる。特定の職業に固執するよりも、その職種を通して何をしてどんな存在でありたいかという自分なりのビジョンをもつことが重要になってくる。テクノスカレッジでは、学生が卒業してから5年後のありたい自分を「卒後ビジョン」として描き、それを在学中にアップデートしていくための、多様でフレキシブルな学びの場を提供している。その学び方の選択肢の1つが「大学コース」なのだ。して学ぶが、「大学コース」の学生は専門学科と並行しながら左図中の5大学から選択した大学で4年間履修する。1つの学科を4年間深め続けて3・4年次では高度専門科目を学ぶプランと、1・2年次と3・4年次で学科を変えて学べるWメジャー制度の2つのプランから選ぶことができる。自分の学びをカスタマイズしながら、卒業時は高度専門士と学士の両方の称号が得られるのだ。また、3・4年次に他学科の学生とチームを組んで学ぶ学科横断の大学コースゼミがあり、社会課題に対して取り組むPBLを実施。より多様な専門性と組み合わせて協働する学びもある。業生のなかには、もともと空港のグランドスタッフになりたくてエアライン科に入学したが、産業能率大学で心理学や経営学を学んだことで視野が広がり、キャリアプランを発展させた学生も2年課程では1つの専門学科に特化大学コースを選択した卒いる。学びを広げて深めた結果、空港でのサービスを提供するグランドスタッフだけではなく、サービスそのものを考える仕事にも興味をもち、就活では総合職や客室乗務員にもチャレンジし、すべての職種で内定を獲得した。また、映像クリエイターを目指す映像メディア科の学生は、中央大学の法学部で法律を学んだ。映像の仕事では著作権など法律の知識が必要とされるのはもちろん、将来独立を考えていることから、仕事の契約に必要な知識など、「社会人として生きていく力」を中央大学で学んだと語っている。 「大学コース」は、テクノスカレッジが大学の科目履修費を負担する奨学金もあり、1年次だけでなく2・3年次から編入することもできるので、専門学校か大学か、進路に迷っている高校生の可能性を広げる魅力的な選択肢の1つになるのではないだろうか。職業的な専門性と学問的な専門性の二兎を得る取材・文/長島佳子30学科82コースで構成されており、すべ2024 JUL. Vol.45142

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