キャリアガイダンスVol.451
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■■■■2024年に開学60周年を迎えた本学は、かねてより「実学の帝塚山大学」というスローガンを掲げ、専門的な学びや資格取得のみならず、それらを実社会で活用することを重視してきました。そのために全学部学科で注力しているのがフィールドワークであり、さまざまな企業や団体と連携したプロジェクト型学習です。例えば、文学部では當■麻寺(奈良県■城市)と連携し、伝統行事である練■供養会■■式に関するリーフレットなどを学生が制作。一日観光案内を行■■■■うなどの取組を始めています。心理学部では、県内の小学生を対象に心のケアやストレスマネジメントなどの心理教育アプローチを実施。法学部では、大学生考案の交通安全教室を小学校で実施したり、奈良市議会「議会報告」での議論に参加しました。現代生活学部食物栄養学科では、オリジナル味噌の開発・販売に携わっていますが、これがとてもおいしいんです。こうした活動を通じて、問題解決に向けて主体的に行動し、多様な他者と協働するなかで事象を多角的に捉える力が育まれます。同時に、学内で得た知識が実社会でどのようにすれば活きるのか、あるいは簡単には活かされないことも含めて、リアルを知る貴重な機会となっています。もう一つ、本学の特色としてあげられるのが、入学前教育から卒業後の支援に至る、徹底した面倒見の良さです。入学直後から全学生にアドバイザー教員がつき、学修指導だけではなく、日々の悩みから進路相談まで、生活のすべてをサポートします。もちろん、学生生活課や教学支援課、キャリアセンターなどあらゆる部署のどの職員に相談していただいても構いません。教職員全員でいわば〝育てのシャワー〟を浴びせているイメージです。オープンキャンパスに足を運んでいただいた高校生も、学生スタッフと教職員との関係性を見て、距離の近さを感じているようで、そこが入学の決め手だったと話す学生も少なくありません。卒業生へのアンケートでも、面倒見の良さに起因する満足度や、学びの充実度が高く評価されています。保護者の方々からも、入学後「こんなに丁寧にわが子に関わってくれる大学とは思っていなかった」と驚きの声があがります。本学の教職員は「それが当たり前」と思っているだけに、事前の宣伝が少々控えめなのです。大阪や京都からのアクセスの良さ   ■   ず、歴史文化資源に恵まれた奈良のも、近畿圏の高校生に意外と伝わっていない事実の一つです。一方で、大都市からの距離の近さにもかかわら地は、喧騒とは無縁の落ちついた雰囲気が漂っています。おおらかで温かみのある土地であり、本学の学生も、どこか控えめ。けれど、面倒見の良い教職員と深く関わりながら、また地域のさまざまな人たちと協働しながら、新しい自分を発見し、ぐんぐん成長していきます。自分の可能性を広げていきたいと期待する高校生にとって、これ以上適した環境はないと改めて実感しています。43学長プロフィール おくむら・ゆみこ●1966年生まれ。関西学院大学文学部教育学科教育心理学専攻卒業。筑波大学大学院博士課程人間総合科学研究科病態制御医学専攻修了。2012年帝塚山大学着任。以降、心理学部教授、心理学部長、副学長(学生生活・国際交流・キャリア担当)、2023年4月より現職。専門は老年心理学、臨床心理学。大学プロフィール1964年開学。文学部、経済経営学部、法学部(以上、東生駒キャンパス)、心理学部、現代生活学部、教育学部(以上、学園前キャンパス)の6学部7学科に加え、大学院2研究科を擁する。奈良県奈良市。2024 JUL. Vol.451まとめ/堀水潤一 撮影/稲山智紀

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