キャリアガイダンスVol.451
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「be O「be 「be Confi dent」をテーマに取り組む。って自分軸の思考・行動ができるようつなげていきたいと考えました」(辻本教頭)学校全体での急速な方向転換で混乱を招かないよう、10年以上かける緩やかな構造転換を構想した。その第一段階として、「協働化」と「リフレクション」の融合に焦点を絞った授業改善に学校全体で取り組むことに。「個別化」と「プロジェクト化」を含めた4つの学びの融合については、探究科という教科を作って少人数の教員チームで取り組むこととした。 「先生全員が一斉に探究学習に取り組もうとしても、必要性に対する温度差や負担感から、なかなかうまくいかないでしょう。そこで、まずは探究科のみを担当する者を含む6人がチームとなって探究科に取り組むことで、4つの学びの融合の象徴的な実績を作り、学校全体を牽引していこうと考えました」(辻本教頭) 「まずやってみる」を合言葉に、1学年は自分がオリジナルな存在であることを知るれた協働による新しい価値を創造するつめてそれぞれの道へと自信をもって進む一般的に高校の総合的な探究の時間は「数カ月かけて生徒が課題の設定から探究サイクルを回す」という内容が多い。だが、同校ではその前段階として、探究の「プロセス」に焦点を当てる。そこで大切rigna」、2学年は他者の視点を入 li   Creative」、3学年は再び自分を見にしたいマインドを装着するための大小さまざまなワークショップを、アートやデザインの視点を取り入れていくつも実施している(図1)。探究の起点となる課題には、最初からSDGsのような枠組みで捉えるのではなく、例えば2学年では、身近な誰かのためにちょっと良く変えることから徐々に広げていく。誰かのための財布をデザインするワークショップを通じ、他者のことを考える視点、インタビューからニーズを知る大切さ、まずやってみるなどのマインドを学ぶという具合だ。 「探究を構成する『探』と『究』のうち、何が自分のフックに掛かるのかを探し掘り起こす『探』の機会が不足しては、興味関心や没頭したいことを見つけることや、問いや課題を設定することが困難な生徒も出てくるでしょう。すなわち『究』をすることはできないと考えています。そこで本校は『探』に軸足を置き、まずやってみる、触れてみる、考えてみるといういろんな経験を重ねるなかで、それぞれのタイミングで興味関心や問いが生まれるように設計しています」(辻本教頭)探究科のプログラムには「毎年これをやる」という固定化したものはない。内容や進め方は流動的で、毎週、探究科の教員が目の前の生徒の特徴やモチベーションを見ながら話し合って決め、授業中も臨機応変に軌道修正している。しかしながら、各学年2単位の探究科だけの実践では〝イベント〟の域を脱するのは難しい。構造転換の第2段階として、22専任の教員チームで探究の学びを牽引カリキュラムを根本から見直し探究を日常のものに❶ 概念と教科を同時進行で学ぶ❷ 概念の学びと教科での学びがお互いに行き来する❸ 概念の学びは、教科の学びを横断的に繋ぎ、 教科の学びは概念の理解を深めるきっかけとなることで、 生徒独自の視点で学びが深まっていく❹ 概念と教科が混じり合った深い学びをもって、 プロジェクトに取り組む2024 JUL. Vol.4511950年設立/普通科生徒数1348人(男子719人・女子629人)※高校のみ 進路状況(2024年3月卒業生)大学298人・専門学校8人・その他進学(海外)3人・その他13人幼稚園から大学までもつ追手門学院が母体。教育理念は「独立自彊・社会有為」。「特進SS」「I類」「Ⅱ類」「Ⅱ類スポーツ」に2022年より「創造」が加わり現在5コースを設置。個別型学習・協働型学習・プロジェクト型学習・リフレクションの4つの学びの融合、専任教員による探究科の実践が特徴。Webサイト「O-DRIVE」を開設し探究の実践を発信している。創造コース教育推進部長牛込紘太先生教頭辻本義広先生図2 創造コースの学びの仕組み  45

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