キャリアガイダンスVol.451
54/66

-Learn人生100年と言われる時代。変化が激しい世の中の情勢も相まって、社会に出てから一つの職場や職種を全うするのではなく、多くの人が複数のキャリアチェンジをしながらキャリアアップしていく時代になっている。こうした背景における大学での学びは、一つの専門性を究める以外にも複数の専門性を身につけたり、座学や学内での授業だけではない実践的な学びを提供したりする必要があると語るのは、九州産業大学で大学改革を推進している北島己■■佐■吉■学長だ。 「学生たちには、未来を予測しながら仮説をたててものごとに取り組み、躍動的に創造していく思考を身につけてほしい。次の時代をめがけて時間軸を飛び越えるような思考、いわゆるデザイン思考が非常に重要だと思います。それには文系・理系・芸術系を融合し、枠を超えた多様な学びが個々の学生に必要になるのです」の9学部21学科、さらに大学院、短期大学部が1つのキャンパスに集う環境を有効活用し、文理芸融合型の学部横断型授業や学部協力型授業を実施している。「我々が育成したいのは、幅広いジャンルの知見をもつゼネラリストと、特定の専門分野のスペシャリストを掛け合わせながら、新しいことへの挑戦心が高く、地域に貢献できる実践型の『T型チャレンジャー』です。そのために文理芸融合のT型BL型の学び、個々の学生が目標とする資格や免許取得といった〝出口〟に確実に対応できる学びを全学部で実施しているのです(上図)」(北島学長)ために、2025年度から「KSUクォーター制」を導入する。1年を4学期に分けて授業を行うことで、今までは週1コマずつ14週等で実施していた科目を、週2コマずつ7週で短期集中学修ができる。また、履修選択に柔軟性が生まれ、秋に入学する海外の大学に長期留学が可能になるなど、グローバル教育にも対応しやすい。さらに、インターンシップ、ボランティアなどの正九州産業大学は文系・理工系・芸術系その学びをさらに効率的にするngや地域・産業界と連携したP課外活動にも参加しやすくなる(下図)。じっくり学ぶべき科目は2クォーター連結することで、従来のように週1コマ・14週で設定することも可能なので、フレキシブルな履修設計ができるようになるのだ。 「特に本学で重視しているのが実践型のPBLで、現在でも年間約100件のプロジェクトが動いています。PBLに時間をかけて取り組みたいという学生も多いので、クォーター制を活用することでより活性化できるのではと期待しています」(北島学長)プロジェクトの成果は毎年11月に開催する「KSUごとのブースで展示発表している。見学に来た地域の高校生には大学での学びや、社会を知るきっかけになっているという。教育改革により10年間で志願者数がi    II   約3倍になるなど、九州地区で注目が高まる九州産業大学の新しい学びの姿にも期待したい。VSONDAY」にて、チームデザイン思考で未来を躍動的に創造できる人材に取材・文/長島佳子2024 JUL. Vol.45154

元のページ  ../index.html#54

このブックを見る