キャリアガイダンスVol.453
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出水商業高校(鹿児島・出水市立) 山下優香先生は叶わなくても、本人は納得して別の道を進むことができる。 「教員の仕事は生徒の夢を諦めさせることではなく、夢に向かって最善を尽くす後押しをすることだと確信しました」しかし、次の赴任先の工業高校で     コンサルタントという資格でした」山下先生は担任を希望するが「無理だ」と言われてしまう。多くの生徒が進路で就職を選択する工業高校において、就職先の企業についての知識や繋がりがない教員は、担任をもちにくかったのだ。「寄り添いは土台。もっと専門的に生徒の人生を応援できる力をつけたい。そのときに知ったのがキャリア資格取得のために半年間通った講習の場で、企業の人事担当者、ハローワークに勤める人、コンビニの店長など、さまざまな職種の人々との出会いがあった。それまでネガティブに受け止めていた転職も、海外ではキャリアアップに繋がることや、自分が万能でなくても足りない部分は人の力を借りればよいことなど、一気に視野が広がっていった。 「自分が知らない職種を生徒が希望すると、つい『大変だよ』と言ってしまいがちですが、その職種の人を知っていたり知識があれば、生徒に現場の声を提供できます。また、生徒たちに『何かあったら会社を辞めてもいいんだよ』と言えるようになりました。高卒で入った会社が一生の仕事になるかはわからない時代。それもキャリアコンサルタントの仲間を通して知り得たことです。私自身が多様な人と出会う機会の大切さを実感できた経験でした」それからの山下先生は、学校外の人々との繋がりをつくり、それを生徒たちに繋げる取組を次々と実践していく。例えば、出水市主催のリノベーションスクールの通知があった。市内の空き店舗などの遊休不動産 「生徒は仲間」と語る山下優香先生。その思いに至ったのは、正規教員として初めて赴任した農業高校でのこと。先輩教員たちからはいつも怒られ、ある生徒とは校則についてぶつかり、何もかもがうまくいかなかった。でも自分に元気がないと、代わりに授業を進めてくれる生徒がいたり、担任のクラスの生徒たちが守ってくれることが多々あった。「自分にできるのは、仲間でいてくれる生徒たちに寄り添うことだと思ったのです」例えば、進路選択では生徒の夢は最後まで応援しようと決めた。他の先生は無理だろうと言う夢でも、本人と何度も語り合い、本音を引き出し、生徒自身がやるだけやったと思えるところまで挑戦を応援する。その結果、たとえ希望の進路キャリアコンサルタントの資格取得で広がった視野社会の大人も、生徒も、対等に繋げる。繋がりが生徒たちの思考を自由にさせる2025 JAN. Vol.45326生徒、保護者、まちの人、管理職など、誰とでも上下関係ではなく対等な立場で考えて支え合うほうがずっと納得解が得られやすいと知った。自分自身が校外の講習などでのさまざまな出会いで一気に視野が広がり、それを生徒にも経験してほしくて、多様な人と生徒を繋げている。今の正しさが将来も正しいとは限らない。考えは変わってもいいし、就職後に何かあったら辞めてもいいと生徒に言えるようになった。

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