キャリアガイダンスVol.453
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根本的な問いが抜けがちなんです。自分がやりたいことができる探究ほど楽しい授業はありません。探究にワクワクした気持ちで前向きに臨んでもらうためにも、まずは、学ぶことの面白さ、楽しさを知ってほしいと考え、ガイダンスではそれが実感できるような事例を盛り込んで話をしています」(石山先生)1学期半ばから2学期にかけては、論述力を育成するために開発された「論理コミュニケーション」(一般財団法人SFCフォーラム提供)に取り組み、論理的に思考・表現するスキルを徹底的に学んでいく。授業は外部講師によるオンライン講義と動画を用いた授業で、論理的文章の設計図の作成法や文献引用のルールなどを広く学び、実際に書くトレーニングを経て検定を受ける。「論理コミュニケーションの受講により、教員が考えている以上に、生徒に書く力がついている」と石山先生。後述するように、今年度からは普通科の2年次で新しい取組も始まっている。3学期には、2年次に行う本格的な探究学習に先立ち、3学科横断で「プレ探究」に取り組む。問いとは何か、どのように立てるのかといったガイダンスののち、興味・関心のある学問分野や教科・科目を基に生徒を学科の枠を越えて4〜5人ずつグルーピング。グループごとに、自分たちが関心のあるテーマや社会課題に関する文献や資料を手分けして読み、内容を東高校では、学習指導要領改訂のポイントの1つである探究活動の充実を図るため、探究と親和性の高い図書館活動と情報の機能を合わせた探究推進部を、大阪市から府への移管を機に組織改編して誕生させた。これまでのノウハウと新たな取組の融合などについて全教職員の共通理解を得ることをはじめ、さまざまな課題に対して常にブラッシュアップさせようと、現在も探究推進部のメンバーを中心に奮  闘している。「本校の探究学習では、論文などの文献を読むこと、資料やデータにあたること、論理的な文章を書くことを大事にしている。こうした活動に、図書館は不可欠」と石山先生は強調する。今秋には府の学校経営推進費を活用して図書館を改装し、生徒が探究活動に使用できるスペースを整備した。同校は普通科・英語科・理数科の3学科からなり、1年次の総合的な探究の時間は学科横断で行われる。1学期は、「なぜ学ぶのか」について深めることから始まる。さまざまな人の話を聞いたり学びについての記事を読んだりして、自分にとって学びとは何か、なぜ勉強するのかを、ワークシートを使いながら言語化していく。「本校の生徒の多くは厳しい入試を突破して入学しており、勉強はしないといけないからするものの、なぜ勉強するかという「論理コミュニケーション」と「プレ探究」で基礎を構築自分にとって学びとは何かを深めたうえで、探究に臨む2025 JAN. Vol.4531923年創立/普通科・英語科・理数科/生徒数954人(男子443人・女子511人)/進路状況(2024年3月卒業)大学284人、短大1人、専門学校7人、そのほか16人写真左から、探究推進部・司書教諭の髙池昌子先生、探究推進部長の石山貴裕先生。取材・文/笹原風花「なぜ学ぶのか」を深め、学ぶ楽しさ、面白さを知ることからスタート。1学期半ばから2学期にかけては外部講師による「論理コミュニケーション」を受講し、論理的に思考・表現するスキルを習得する。3学期には「プレ探究」にグループで取り組み、2年次につなげる。1学期は個人探究に取り組み、自分の興味・関心事を徹底的に掘り下げ、夏休みに4000字のレポートを執筆。2学期からは個人探究で培った専門性と自信をベースにグループ探究に取り組み、中間発表会を経て2月の生徒研究活動発表会では1年生に向けて発表する。● 年間スケジュール探究の基礎と論理的思考力・表現力を身につける個人探究で興味・関心事を深め、主体的にグループ探究に臨む392022年度から本格実施となった「総合的な探究の時間」。現場で試行錯誤が続くなか、実践のヒントとなる探究の事例をご紹介します。

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