キャリアガイダンスVol.453
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● 各地の神話における類似性について 〜何故遠い地でありながら似た物語が● なぜアンパンマンは子どもに人気なのか● インターネットにおける誹謗中傷について● 「かわいい」が与えるもの● 「人間関係構築」における「第一印象」● 一目惚れと恋● 経済学と人の心の関係性について 〜人は得をして嬉しくなるのか、損をして● 価値観の形成のされ方 〜価値観は何に左右されるのか〜まとめて発表する。「図書館を積極的に活用し、アンケート調査の適切な行い方やデータの扱い方など情報的な学習も踏まえて進めていきます。違う学科の生徒同士、最初は緊張する様子も見られますが、視点や感覚の違いがお互いに刺激になるようで、楽しそうに取り組んでいます」(髙池先生)2年次の総合的な探究の時間は、学科ごとに行う。昨年度までは1学期からグループ探究に取り組んでいたが、今年度は1学期は個人探究、2学期からはグループ探究という進め方に切り替えた。「1年次に受講した論理コミュニケーションで書く力が身についているのだから、これを活かして2年次でもっと書き、伸ばしていきたいと考えました。そこで、1学期は個人探究とし、自分の興味・関心事を徹底的に掘り下げ、夏休みに4000字のレポートを書いてもらうことにしました。何か一つを極め、自分のものと言える成果物を残すことは、何よりも自信につながります。うちの生徒に書けるだろうかと不安視する声もありましたが、ほとんどの生徒がしっかりと書いて提出してくれました」(石山先生)2学期からは1学期に取り組んだテーマに基づきグループを組み、グループ探究に取り組む。「ミスマッチがないよう最大限に配慮した」と石山先生が振り返るように、グループ決めに際しては生徒へのヒアリングを重ねるなど時間と手間をかけ、今年度は2〜5人のグループが56班できた。「個人探究を通して自分の専門とも言える分野ができたことで、グループ探究にも積極的、主体的に取り組める」と石山先生。11月には外部講師を招いた中間発表会を行い、そこで得たフィードバックを基に内容をさらに深め、2月に行われる生徒研究活動発表会で集大成を迎える。「中間発表会の際には、講師の方々からも『今年の生徒はとても前向きだ』と評価していただきました。グループ探究では、人任l  せにしてしまう生徒が一定数います。しかし今年は、個人探究で何か一つを極めたというバックボーンがあることで、生徒が堂々とグループ探究に臨んでいると感じます。司会を生徒が務めたことも大きかったですね。生徒研究活動発表会では1年生が聴衆になるので、先輩の発表を見て刺激を受けてくれるのではないかと期待しています」(髙池先生)探究に力を入れてきた成果は、進学実績にも表れている。3年次の進路選択では探究が進路につながるケースも増えており、学校推薦型選抜や総合型選抜で進学を決める生徒も多い。「探究テーマが大学で学ぶ学問につながるケースだけでなく、志望理由書や小論文を書く際に、探究学習のプロセスや論理コミュニケーションで身につけた力が大いに活きるんです。特に、うちの生徒は自分の意見や経験を踏まえて書くことに慣れているので、オリジナリティを出せるのが大きな強みになっていると感じます」(石山先生)探究学習に使える各種コンテンツや生徒のレポートを公開した学内サイトの運用や、各種ワークシート、ガイダンス用の資料など、石山先生を中心に探究推進部では情報の共有・発信に積極的に取り組んできた。また、百科事典や辞書・辞典、新書、統計資料といった1000冊以上の出版物を検索・閲覧できる「ジャパンナレッジようにしている。「お金をかけるべきところにはかける」というのが、探究推進部のモットー。「導入したものについては、なぜ大事なのか、どういうシーンでどう使うのかを生徒にしっかりと伝えて活用につなげている」と石山先生は言う。「探究においては、生徒にメッセージを発信することがとても大事だと考えています。私たちが最重要視しているのが、探究では失敗したっていいんだというメッセージ。成功しようなんて思わないで、やりたいことを追究して楽しんでほしい。これは探究を担当する先生方にも共通認識としてもってもらっています。同時に先生方に伝えているのが、生徒を見くびらず、ポテンシャルを信じてほしいということ。教員が生徒を信じきれていなかったり、失敗を恐れていたりすると、生徒の挑戦や成長を阻害してしまいます。実際、毎年、予想を超えてくる生徒がたくさんいるんです。これからも探究への取組を通して、生徒が主体的に動き出すきっかけを作っていきたいと思います」Schoo」を導入し、生徒が自由に使える個人探究で興味・関心事を掘り下げた経験が自信になる生徒のポテンシャルを信じ、失敗を恐れないでほしい● 幸せな人の特徴※ダウンロードサイト:リクルート進学総研>> 刊行物>> キャリアガイダンス(Vol.453)40「レポート作成の道」と題された2年生向け資料(石山先生作成)。「究めたいこと」を探すための具体的なプロセスやテーマ探しのポイント、問いの立て方・事例などが詳細にまとめられている。図書館内に新たに整備された探究活動用スペース。グループワークがしやすいよう可動式の机と椅子が置かれ、閲覧スペースとの間はカーテンで仕切られ、学習に集中できるよう工夫されている。2年次(普通科)の中間発表会の様子。外部講師らの前で発表するため生徒の緊張も大きいが、質問に果敢に答えようとする姿や助言を真摯に受け止める姿が見られる。2025 JAN. Vol.453登場するか〜の重要性について悲しくなるのか〜【生徒の探究テーマの例】

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