Universityから略称はCoIU(コーア、学びの位置付けが根本的に変わっています。青年期に知識や技術を修得し、それを社会で役立てるのが産業革命以降の教育モデルでした。しかし、技術は急速に陳腐化し、学んだことがいつまでも通用するとは思えません。転職や兼業・副業が当たり前の社会において、あるいは人生100年時代、第2・第3の人生があり、さまざまな社会的役割を担うなか、個を起点に社会とつながりながら、生涯、学び続ける必要があるわけです。その学びにしても、検索エンジンど今 ころか生成AIの登場によって、知識・技能を修得すること自体の価値は格段に下がってきました。それより大切なのは、問いを立てる力です。問いとは、解決すべき社会課題を指すこともあれば、どう生きるか、どんな未来を創りたいのかといった哲学的な問題まで含まれます。そのような問いを立てる力を、世代や立場にとらわれず、多様な人々との対話を通じて磨く場が必要ではないか。共に未来を創るという視点を共有し、集う場が必要ではないか。私自身そう考えてきましたし、地域や企業の方々からも同じような構想が立ち上がった結果、2026年4月の開学を目指しているのがコーイノベーション大学(仮称・設置認可申請中)です。英語表記のCo-Innovationイユー)。共創学を掲げる大学です。共創とは、未来に繋がる新しい価値を共に創ること。それは、突然生まれるものではありません。専門の異なる人々がそれぞれ大切にする価値や強みを持ちより、あるいは声を出せない人たちに寄り添い、さらにはまだ誕生していない将来世代にとって大切なことは何なのかまで一緒に考え、共鳴し合うことで生まれてくるはずです。その舞台として、メインキャンパスこそ飛騨市に置きますが、2年次以降は全国の拠点で、各自、学びのスタイルを模索しながら、問いを立てる力を磨きます。一つの拠点で実際のプロジェクトに関わり、現実の厳しさや、やりがいを感じることもあれば、都市部と地方を行き来することで世界観が広がることもあるでしょう。意図せぬ出会いから得られる気づきも含め、豊かな学びの場となるはずです。こうした学びは、探究活動などを通じて地域課題に取り組んだ経験がある高校生にとって親和性が高いでしょう。ただ、そうした経験の有無よりは、学びに対する姿勢の方が大切です。例えば読書にしても、漫然と読むだけでは内容の理解しかできませんが、自分なりの問いやテーマを立てながら読むことで深い学びになるはずです。座学の授業もそう。歴史の授業から夫婦別姓などの現代的課題を紐解いたり、芸術作品を皆で解釈しあったりなど、工夫次第で問いを立てる授業になることは、多くの高校の先生方の実践から学ばさせていただいています。どうすれば子どもたちの未来が豊かになるか。これこそ、先生方が常に立ててきた問いのはず。我々もそこを問い続け、多くの人と共に、より良い学びの場を創造したいと思います。学長候補プロフィール みやた・ひろあき●1978年岐阜県生まれ。東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻修士課程修了。同分野保健学博士(論文)。早稲田大学人間科学学術院助手、東京大学大学院医学系研究科医療品質評価学講座助教、准教授を経て2014年教授、2015年慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室教授。専門はデータサイエンス、科学方法論、Value Co-Creation。大学プロフィール2026年4月に開学を予定している4年制私立大学。英語表記はCo-Innovation University(仮称・設置認可申請中)。略称はCoIU(コーアイユー)。共創学部の入学定員は120人。1年次に飛騨キャンパス(岐阜県飛騨市)で学びの基礎を固め、2年次以降は提携する地域での実践を経験する。※設置認可申請中につき、名称・内容等は変更になる可能性があります。2025 JAN. Vol.45343まとめ/堀水潤一 撮影/竹田宗司
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