山口県東部に浮かぶ周防大島。美しい海岸や、海沿いに並ぶパームツリーの景観、ハワイとの交流の歴史から「瀬戸内のハワイ」と呼ばれ、現在は若い移住者による起業が相次ぐ島としても注目されています。穏やかな瀬戸内海と自然環境に恵まれた、大好きな私のふるさとの地。しかし、ここ周防大島は全国に先駆けて高齢化の進む地域でもありました。大好きな地域の、数十年後の未来が見えない――そんな子どものころの危機感から、私の試行錯誤は始まりました。家業は、1930年創業の土木建設業。祖父から父へと経営を継いだものの、長男の私には、家業を継ぐ気は起きず、どうせ一生の仕事にするなら、自分の得意や興味を活かしたいと考えるように。そんな私の当時の関心事は「未来」と「お金を稼ぐこと」。まだ見ぬ世の中への漠然とした興味と、経済的に自立して自分らしい仕事をすることへの憧れを、日に日に募らせていました。小学5年生の時、少年3人組が商売全国に先駆けた「高齢化の島」。大好きな島の未来が見えない451978年生まれ、山口県大島郡東和町(現周防大島町)で育つ。大学、就職を経てUターンし起業家養成塾「島スクエア」設立など精力的に活動。小中高・大学生へキャリア教育プログラムを提供し、地域で起業家教育を行う。文部科学省アントレプレナーシップ推進大使。2025 JAN. Vol.453取材・文/塚田智恵美 撮影/コバヤシスタジオ 教育業界でも注目されるアントレプレナーシップ(起業家精神)。この連載では、全国さまざまな地域の未来に向けて取り組むアントレプレナーの方々を取材し、何かを変える一歩目の踏み出し方、高校教育にも通じるアントレプレナーの視点を探ります。
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