キャリアガイダンスVol.453
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で稼ぐ物語に感動。当時、社長だった祖父に「商売をしてみたい」と相談しました。ネジに油を塗る仕事をもらったものの、本のノウハウを真似して、自分ひとりで塗るのではなく、友達を雇い、ネジ500本を仕上げて売上5000円、利益2500円の結果に。これが「自分の得意なことを見出し、磨いていくことで、自分らしい稼ぎ方につながる」と考える原体験になりました。私の住む東和町、現在の周防大島町は高齢化率41・5%(当時)と日本一高齢化が進んだ町だと知ります。祖父に連れられ土地開発工事の現場を見に行くこともあった私は「公共事業による建設投資は増えているのに、なぜ子どもの数は減り続けているのだろうか」と疑問を抱きました。このままでは、少子高齢化と人口減は進む一方です。周防大島の未来を救う方法はないだろうか。参考になるケースを求めて本を読み、米国の事例を参考にしながらも、「新しい価値を自分が創り、大好きな島の未来を描きたい」と島おこしへの思いを募らせていきました。て、大阪や東京の会社に勤めて修行をし、るさとに戻って改めて思い知ったのは、地方における職種や業種の選択肢の少なさです。若者がこの地にUターン、もしくは移住をしたとして、しっかり稼ぎたいと思ったら、起業という選択肢しかないのではないか。それなら、まずは島で起業してがんばっている若者を応援しようと、島の起業家を取り上げるフリーペーパー「島スタイル」を創刊。かっこいい起業家たちを紹介することで、周防大島出身の若者がUターンを考え始め、島に若い起業家が増えたら最高だと考えていました。ところが、あっという間に取材対象者が尽きました。毎月どんどん起業家が生まれるような島ではないのだから、当然です。今思えば、なぜフリーペーパーを作る前に想定できなかったのか(笑)。島にもっと若い起業家が増えたらな。若者がワクワクしながら自分の個性や才能で生きられる、そんな島にするために、必要なのは何だろうか? こうして私は、周防大島の将来を担う型キャリア教育事業の開発に取り組むように。2007年から2013年まで、全国で初めて高専を拠点とした起業家養成塾「島スクエア」を先生方と運営。それから早11年。周防大島町の小・中学校でのキャリア教育(総合的な学習の時間)の担当などを経て、現在は、周防大島中学校の学校運営協議会委員を担うほか、さまざまな場所で起業家教育プログラムを提供しています。とはいえ順風満帆というわけではありませんでした。いっときは地方ならではのさまざまな制約を前に立ち止まり、起業家教育どころか、自分の会社の売り上げ中学3年生のころ、ニュースを見ていて、いずれ島で起業することを想定に入れそうだ「教育」だ――。島の起業家を支援したい。その思いが「教育」に向かう2025 JAN. Vol.4534626歳で東京から周防大島にUターン。ふ     10代の起業家精神を育むための、実践

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