年の学習の到達目標をまとめたCANDOリストを同僚と一緒に作成し、そこに向かうための手法についても各教員の創意工夫をシェアしているという。業高校。3校目は総合学科高校で、4校目が、大半の生徒が大学進学を目指す現任校だ。学校ごとに生徒のタイプは違い、学習の進め方も変わったが、どこにおいても田中先生が意識してきたことがある。「英語を学ぶ目的」を具体的に考え、伝えることだ。例えば工業高校では、「将来、外国人の技術者とも協力しあえるように」という前提の下で授業を組み立てた。いう概念を一度取り払い、この社会の話題としてまず自分が面白がる」ことだ。そのうえで面白かった部分を生徒と共有するにはどうすればいいかを思案した。三つ目は、「答えが合っていたことを褒める」というよりも、「生徒が英語を使って自己表現したことを受けとめる」ことを大事にしてきたことだ。生徒が考えて記述したこと、発言したことに、素直に感心したり気づきをもらったりして。「授業で生徒が英語を使って表現したことのなかには、『普段の日本語のやり取りでは言わないことを、自分で考えて表に出したもの』があると思うんです。例えば〝Whatう問いに、ある生徒が〝〟と書いたとします。ありふれた一文に見えますが、実はその生徒の人生に本がすごく影響を与えてきたからこそ、つづられた一文かもしれません。そこにbecauseでさらに言葉をつむぐよう促せば、奥にある思いまで自然に引き出され、生徒自身の考えも深まっていくと思うのです」英語が好きで、大学は外国語学部に進んだ田中先生は、教職課程を取りはしたものの、当初は一般企業への就職を考えていたという。けれども、教育実習に行ったのを機に、教員になることを決心する。「人間関係や学習の悩み、家庭の問題など、さまざまな課題を抱える生徒一人ひとりに、先生たちはこんなにも考えながら教育活動をされていたんだ、と感動したんです。いつもすぐに手を差し伸べるのではなく、生徒の成長を待ったりとか」先生ってすごい、と思ったからこそ、その先輩たちと自分との力の差も感じた。教育学と、英語の教育法を今一度しっかりtilikeiIi-in Task-basedLanguagedoyourme?readngfreedoyoutobookslike学びたいと考え、大学院に進学。そこで達成のために英語を使うなかで習得を促す教授法)という考え方を学び、英語の授業実践の基礎を築くことができた。大学院修了後、兵庫県で中学校の教員に。その学校では、生徒や保護者、地域の人との関わりを担任一人に任せず、「皆で協力する体制ができていた」という。結婚して山梨県に移ったのを機に、採用選考を受け直し、高校の教員になった。初任校では、高校での実践はまだない田中先生に対して、同僚の英語の先生たちが、「中学校での実践を関心をもって聞いてくれて、私の得意分野を引き出してくれた」そう。嬉しくて、田中先生もほかの先生のやり方を積極的に学んだ。2校の経験を通して、田中先生は「教員同士で協力しあって授業をつくる」ことを目指すようになった。現任校でも、各学Teachng(目的高校教員として2校目で赴いたのが工一つ目は、目の前の生徒たちにとっての二つ目は、教科書のトピックを「教材と〟とい大学院で培った知見や同僚と共創したものを基に英語のやり取りにおける生徒の自己表現に着目して58生徒の意見の共有には、オンライン掲示板アプリPadletを活用。書き込みに他の生徒やALTが反応も返していく。同僚の先生と作成したCAN-DOリスト。第1学年、第2学年、第3学年の時に、英語4技能について「何ができるようになる」ことを目指すのか、具体的にまとめている。※ダウンロードサイト:リクルート進学総研>> 刊行物>> キャリアガイダンス(Vol.453)創立1984年/普通科生徒数684人(男子295人、女子389人)進路状況(2024年3月卒業)大学177人、短大14人、専門学校23人、就職2人、その他8人校訓は「自主創造」。生徒に必要な資質・能力として、主体性・協働性・思考力・判断力・表現力・自己評価力を「甲府昭和高校Can-doリスト」にまとめ共有、育成に取り組む。「学習と部活動に真剣に向き合える」という学校像も掲げる。2025 JAN. Vol.453 田中先生とは「対話」が重要だよね、という話をよくしています。対話のために「頭の中にある概念を言語化」すると、自分の考えが明確化されます。対話のなかで「他者の考えを聞く」と、新たな気づきがあり、さらに自分の考えが深まります。だからこそ生徒には、対話が得意にならなくてもいいので、その経験値を増やしてほしい、と思っているんです。この先も他者とのコミュニケーションを大事にし、そのなかで思考力を養っていくために。 田中先生はそうした対話を、ご自身も生徒と普段からよくされています。授業だけでなく、学校生活全般で、生徒に話しかけ、相手のことを知ろうとしているのです。いつも見ていて感心します。 私も国語の授業では、毎時間座席を変え、生徒同士が対話する――いわばクラス全員と対話する機会を作っています。各生徒の意見をICTで共有し、皆で新しい考えを共創することにも挑んでいます。対話によって思考を深め共創にも挑む国語千野満広先生甲府昭和高校(山梨・県立)INTERVIEW・教科を越えたつながり
元のページ ../index.html#58