趣味も兼ねてますが、お客さんに喜んでもらいたいのが第一。お米を研ぐ作業って面倒だけど、少しでも気分を明るくしてほしくって。新聞も、私たちのことを知り、コミュニケーションのきっかけにしてほしいからです。農家として独立してよかったのは、やりようによっては何者にでもなれること。なんたって〝和菓子屋さん〟にも、〝デザイナー〟にも、〝漫画家〟にもなれていますから。好きな時間に好きなことをやってるので楽しくて仕方ありません。独立すると、失敗はすべて自分たちに返ってきますが、納得はできますよね。米作りも、日々やることだらけですが、「次は何をして、どう世話しよう」ってわくわくします。だから農閑期になると春が待ち遠しくて。懸案は、周囲の農家の後継者問題です。皆さん受け継いできた田んぼを私たちに託したいんです。その期待に応え地域を担いたいし、この風景を守りたい。それは温かく迎えてくれたことへの恩返しにもなります。ただ、私たちだけでは限界があります。解決策は、新規就農者を1組でも増やすこと。そこで発信しようと計画中です。家も田んぼもなく、伝手もないところから始めた私たちの経験は参考になるはず。魅力よりも、「生活費はこうで、売り上げはこれくらい。こう工夫すると貯蓄も増える」といった具体を伝えることで不安を払拭し、仲間を増やしていきたいです。のち、米農家として独立するため、妻と千葉の里山に移住しました。運よく田んぼが借りられ、古民家も紹介いただきました。高齢化した農家が多いなか、多少経験のある若手が来たため温かく迎えられました。軽トラやコンバインなども融通いただき感謝しています。今の私の仕事は米作りが中心。田植えから収穫まで一人でできる規模でやっています。それと害獣駆除も。千葉の農家はキョンという大繁殖した外来動物に困っていて、免許を取得し罠を仕掛けています。役場から捕獲報奨金が出るため家計の足しにもなってます。を出荷すること。直販主体なので、家族のようなつながりができることが楽しくって。うちのお米を食べて育ち、高校生になったという話も聞けるんです。以前は介護のパートもしていましたが出産を機に辞めました。その代わり、収穫した作物で何か作ろうと試行錯誤するなか和菓子に可能性を見いだし、近隣のマルシェで販売しています。あんこ炊きから練習を重ね、自分好みに甘さを抑えたところ好評で、ファンも増えました。一緒にお米を買われる方も多く、毎週末各地で出店しています。た目がとてもかわいいんです。お米袋もカラフルなオリジナルデザイン。発送時に同封する「結農園新聞」には、イラストや漫画を描くこともあるんです。三重の農業法人に10年勤めた私の仕事は、注文を伺い新米キャラの表情など(写真)、見YouTubeも使って自分たちの経験を啓太郎早紀啓太郎早紀啓太郎せきや・けいたろう/さき●1980/1989年生まれ。啓太郎さんが勤務する三重県の農業法人に、都内の大学生だった早紀さんがインターンシップに参加したことが二人の出会い。ともに実家は非農家だが、米作りの楽しさや農村の温かさに触れ独立を決意。2015年に千葉県いすみ市に移住し、翌年「結農園」を開業。(啓太郎)(早紀)職業観イメージを超える職業観 結農園関谷啓太郎さん関谷早紀さん取材・文/堀水潤一撮影/竹内弘真私の仕事は、農家です。農家農家
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