向き合う生徒によって変わる教員のもつ意味や役割(地)の上に展開される、たくさんの意味(図)のバリエーションのことだと安藤さんは語る。「教員に関わる主体(生徒や保護者など)や、場所(学校や社会など)を意識的に切り替えることで、それまで見えていなかった教員というものの側面が見えてくるのでは?」(安藤さん)その「地」において教員というものがどのような意味をもつかを書き出してみることに。校において、地域において、社会において…と、「地」を変えるごとに、見えてくる教員の顔つきが変わる。例えば、自由にやりたい生徒にとって、教員は「看守」のような存在にもなりかねないが、みずから考えを深めたい生徒にとって、教員は「コーチ」である、というような回答も挙がった。向き合う生徒によって、教員の役割やもつ意情報の多面性とは、さまざまな文脈そこで「地」を自由に変えながら、生徒にとって、保護者にとって、学役割を果たしているか、言語化してきたところで、改めて「教員とは、つまり〜とも言える」と、教員という職業を言い換えてみることに。先生方からは「教員とは、生徒が新しい世界につながる窓とも言える」「教員とは、まだ知らない自分らしさを引き出すファシリテーターとも言える」などと、さまざまな視点を取り入れた回答が挙がった。ほかの先生の発言を聞いて「教員という仕事に、これほどまでにさまざまな意味や役割があると思わなかった。もはや教員とは日本のことであり、未来そのものである味も変わる、ということだろうか。ある先生は、社会という「地」において、教員とは「一定の装置」である、と書いた。どういうことかと詳しく聞いてみると、日本の公立小学校を取り上げて話題をよんだドキュメンタリー映画(『小学校〜それは小さな社会〜』)の話や、過去に遭遇した生活指導の例を出しながら、「日本社会において公教育には、集団の中での協調性を育む側面がある。もちろんそのことの良い面もわかっているが、別の面から見ると、教員が『日本社会にうまく適応する人物をつくる、装置のようなもの』だと思えることもある」と語った。一方、同じく社会という「地」を設定して、教員とは「持続可能な社会の形成者」だと捉えた先生もいる。どちらの回答も、現場で日々働かれている先生の、これまでの経験による実感がこもったものだった。(先生方から挙がった回答の一部を、次ページの図に抜粋しています)ここまで、意識的に文脈を変えながら教員のもつ意味を考えてきた。さまざまな側面で教員がどのようなよく知っているはずの“教員”を改めて説明するなら? 多面的に職業を捉えるワークシートはダウンロードしてご使用いただけます。マグカップはお店(地)にあれば商品(図)ですが、ゴミ捨て場(地)にあれば燃えないゴミ(図)です。あらゆる情報には、常にたくさんの顔つきがあります。誰が、どこから、どのように見るか。視点を動かして“教員”を見てみましょう。
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