新しい技術にふれ、壁にもぶつかり、仕事のリアルに迫る世羅高校(広島・県立)元事業者で結成された地域貢献団体と、子ども食堂を開催。農業経営科の育てた野菜を使ったメニューを考案し、子どもたちが遊べるイベントも企画した。「科学研究」を探究したグループは、地ープで、地域課題の発見・解決にあたるようにしたのだ。そしてその活動に、各科が築いてきたコネクションを最大限に生かし、多様な外部の協力を仰いだ。生徒からすれば、産官学のさまざまな職業の人と協働しながら探究する形だ。改革の初年度に、この探究活動のまとめ役を担った平山愛佳先生は、一連の変化を前向きに捉えたという。「以前に普通科のみで町の活性化の探究をしていた時も、生徒たちは最終的に町役場で具体的な提案をするところまでがんばっていたんです。ただ、本人たちの社会経験がまだ少ないこともあり、ネットなどで集めた情報を基にした、やや机上の空論に近い提案になりがちでした。その活動に地元の方や企業の方の目線も加われば、地域のために何ができるかを生徒たちはよりいろいろな観点から捉えて、考えを深めていけるのではないか、と思ったのです」翌年の2024年度の探究活動を牽引した森由香里先生も、幅広い外部連携に手ごたえを感じたという。「町のことに詳しい行政や事業者の方々と、新しい技術や視点をもつ企業の皆さんと、生徒たちがつながりながら、地域の課題と向き合う。そうすると、今までにない新たな提案がいっぱい出てきたんですよ」例えば「地域商品」を探究したグループは、IT企業の社員が講師となる教育プログラムでWebマーケティングのことを学んだうえで、ネット上のショッピングサイトに販売ページを制作し、特産品を売ることに挑んだ。商品ラインナップでは、地元の道の駅や生産業者に協力を仰ぎ、彼らにインタビューもしたうえで、商品の説明や写真の見せ方を工夫してサイトでPRした。「防犯・防災」を探究したグループは、世羅町や世羅警察署と連携し、地元の人向けの特殊詐欺防犯教室を開催することに。IT企業提供の別の教育プログラムでAIの活用を学んだので、防犯教室にAIロボットを使う企画を立案、当日の運用のためのプログラミングも行った。また、チラシを作って広報もした。「保育・教育」を探究したグループは、地広島県立世羅高校は、普通科・農業経営科・生活福祉科のある学校だ。以前から普通科では、町役場や観光協会と連携し、町の活性化を目指す探究活動を行ってきた。また、農業経営科では、世羅茶の栽培・収穫・商品開発に生徒が携わったり、広島市内で養蜂に挑んだりと、地元産業と連携した学習も推進してきた。生活福祉科では、2022年より町役場および大手IT企業と組み、生徒が講師となり、地元の高齢者のスマホの悩み相談にのる会を実施、大好評を博す。これを機に、世羅町と同企業は「デジタル人材育成とデジタル推進」で連携する協定を結び、スマホ相談会にとどまらず、世羅高校の生徒の日々の学習をICTの面でサポートする体制を整えていった。こうしたなかで、同校は2年生の総合的な探究の時間のやり方を大幅に見直す。2023年度より、3学科の生徒が混ざり合って協働で探究する形にし、進路希望別に分かれた10のグル現場や最先端を知る社会人と生徒たちが協働で地域探究ひりつく体験があるから生徒の思考が深まっていく2025 APR. Vol.45428「福祉」を探究する生徒たちは、スマホ相談会を、企業の人から接し方を学んだうえで実施。「防犯・防災」および「歴史・地域資源」を探究した生徒たちは、公共の場でのAIロボットの活用を模索した。左から、2023年度の総合的な探究の時間の主担当の平山愛佳先生、2024年度主担当の森 由香里先生取材・文/松井大助
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