本校の生徒は明るく元気に学校生活を楽しんでいます。ただ、長期的な視野で将来を考えるより、目の前の楽しさを優先する傾向も。楽なほうに流されてしまい、卒業後に進路のミスマッチに気づくことにならないよう、早期から自己理解を深め進路意識を高める活動の充実を図っています。例えば、1学年では、「高校の学習・生活習慣を身につける」「自分を知る・視野を広げ、自分の将来を考える」などの段階的な目標を設定し、進路講演会や自己理解のワークショップやインターンシップ、学校調べなどを計画的に実施しています。(藤山先生)かつては年度によって進路の活動内容に差があり、良い取組を行っても翌年度に引き継がれにくい状況でした。現在、各段階で行いたい最小限の内容の「36カ月キャリア計画」を作成し、学校全体で共有しています(左図)。見通しをもって準備を進めることができ、行き当たりばったりになることや抜け漏れがなくなり、学年団による差が小さくなりました。内容は毎年、各学年の意見を取り入れて改善しています。これを最小限のラインとして、学年団によってはプラスアルファの活動を柔軟に行っています。(湯川先生)生徒の進路が大学進学から就職までl り返りの内容は、Googeドライブ、もしく多岐にわたる茅ケ崎西浜高校。頻繁に自身のがんばりや感じたこと・考えたことを振り返り、それをポートフォリオとして蓄積、進路実現のためにも活用している。振り返りの機会は、入学直後に取り組む中学時代の振り返りをはじめ、学校行事・進路行事後や学期・学年の終わりに設定。その回数は1年間で約20回に及ぶ。振はスタディサプリのポートフォリオ機能を活用して一カ所に蓄積していく。取り組み方の特徴は、複数の文章を順序立てて書くことや自己表現が苦手でも取り組みやすいよう、スモールステップで思考を深めることだ。質問項目はできる限り細分化。例えば文化祭や体育大会などの学校行事では、まず「自分の役割」「大変だったこと」「どう乗り越えたか」という経験を整理し、そのうえで「この経験をどう活かすか」という抽象的な思考を促す(図1)。「活動全体を振り返ることが難しい生徒も、短文でもいいから一つずつ質問に回答していくことで、最終的に内容が深まるようにしています」(進路支援グループ副リーダー・湯川幹子先生)また、学期・年度の節目で行う振り返りでは、学習面・生活面・活動面それぞれについて「経験」「そこから得たこと」「次の目標設定への接続」を記入する(図2)。「自分にとって最も印象的な経験を起点細分化した質問により経験を抽象化し、データで蓄積進路支援のポイントは?年度による取組の差を小さくするには?今すぐ参考にしたい、進路指導のリアルな事例を取材。毎号1つの取組に注目してご紹介します。2025 APR. Vol.45434取材・文/藤崎雅子
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