興味あるテーマに分かれて、グループで探究活動を行う。西澤先生はこれまでに、芸術や保育を探究テーマに選んだ生徒たちの活動に伴走。その際に、特に次の二つのプロセスを生徒たちが大事にして活動できるようにサポートしてきたという。+ る」というアート思考的な問題発見。もう一つは、「アイデアを形にしたプロトタイプ(試作品)を創り、他者に使ってもらって確かめることをくり返す」というデザイン思考的な問題解決のアプローチだ。結果、生徒たちは図2のように探究テーマを設定し、アイデアを具現化、地域の人などに使ってもらってブラッシュアップもすることで、企画系の全国コンクールで毎年受賞するほど躍動するように。「アートやデザインの手法は、社会の問題解決にも生かせる」という、西澤先生の思いを体現してくれるような活動になった。方法論の一般化を目指し図3のような探究学習モデルも構築した。一つは、「自分の感じたことから発想す問題を分析し解決方法を考える生徒が気づいた違和感を大切に「自分が会社を経営するなら」という設定で制作したポスター。自己表現であると同時に、他者に理念や事業内容を体系的に発信するCI(コーポレートアイデンティティ)を学ぶ活動でもある。情報を整理し企画書にまとめ提案する試作品を制作使用してもらい検証をくり返す関係者へのヒアリングや現地調査探究したことを生徒たちが校外で発表することも応援。高校生デザイン選手権や、ビジネスグランプリで受賞を重ねてきた。知識として蓄積し、次なる問題発見へ。このサイクルを回すほど収納庫は豊富になり、問題解決能力が向上2サイクル目以降:自ら問題を発見し、一連のプロセスを自走しようとする1サイクル目:教員や地域の人がきっかけとなる誘発課題を提示心理学者クルト・レヴィン氏のアクションリサーチ・プロセスと、文化人類学者でKJ法の考案者である川喜田二郎氏のW型問題解決モデルを参考に、今までの実践を理論的にまとめ、探究学習モデルを構築した。五感を使ったリアルな経験のなかで思考することを重視している。2025 APR. Vol.454オンライン上にある世界中のアートを鑑賞後、生徒が美術館の学芸員役になりきってニュースレターで自由に企画。○自分が感じたこと(五感で受けた刺激)から思考し、概念につなげる評価の観点例 「視覚以外で感じたことを、(形や色彩で)視覚伝達しようとしたか」○自分が美しい、価値があると感じたことを、言葉で説明できるようになる評価の観点例 「本日の配色について、他者に説明できるか」○自分の興味・関心や、将来につながりそうなことを深く見つめる評価の観点例 「自分が面白いと思うことや、やりたいことへの理解が深まったか」○他者にとっての見え方や、メッセージの受け止められ方を考える評価の観点例 「人々の興味をひき、伝わりやすくなるよう情報をデザインしたか」○「こうなってほしい」という自分の願いを叶えるために計画を立て、創造する評価の観点例 「解決に必要になる知識・技法を自分で判断し、獲得しようとしたか」○他者への共感や、社会への広まり(校内・市内・国内等)を意識して創造する評価の観点例 「使用者となる人の気持ちや、使われる空間を意識して創造したか」Realistic経験レベル2017年サバイバル防災ツアー2018年バニラビーンズの栽培/空き家のシェアハウス2019年地域資源サヌカイトを使った楽器制作2022年海の問題の解決を目指す「さとうみPJ」2023年創造性を育む教材「ミステリーボックス」2024年親子で遊べる「バズる場★ミュージアム」Conceptual思考レベル絵画や工芸、パターンデザインなどを制作の進め方のフォーマットは用意し、あとは生徒が自由に発想して「一人ひとり違うもの」を創作するポスターやニュースレターなどを、生徒が「自分の興味や願い」を基に表現するテーマを決めたうえで、「他者への伝わり方」も意識して制作する何らかの問題解決のアイデアを、「自分が気づいた違和感」を基に考え、「プロトタイプ(試作品)を作り、他者に使用してもらって検証」して形にする図1 美術と探究学習による「創造性」や「創造的問題解決能力」の育成発想の視点図2 高松東高校の生徒たちの探究テーマ一例実践年図3 美術の実践を生かした探究学習モデルトリガープロブレム57授業の活動例探究テーマ③ 推論① 問題発見ブランディングデザインのポスター制作⑤ 概念化④ 実験観察② 野外観察活動における学習目標や評価の観点表現活動を取り入れた鑑賞一人ひとりのもつ感覚や記憶から発想を引き出す他者への思いや社会への視点から発想を広げる知識の収納庫
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