キャリアガイダンスVol.454_別冊
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22非電力エネルギー起源CO電力Vol.454 別冊特集取材・文/伊藤敬太郎出所/国立環境研究所 温室効果ガスインベントリオフィス「日本の温室効果ガス排出量データ」より経済産業省作成の図を編集部にて一部加工動としてとらえている人も少なくないだろう。しかし、環境分野プ企業フェイガーの執行役員CSO上本絵美氏は「環境は今やAI同様に、さまざまな領域に関わる有望分野。当社は多くの大手企業とやりとりがありますが、環境関連部門の社内的な位置づけは以前と比べて大きく重要度を増し、活躍を期待される有能な人材が集まっている印象です」と実態を語る。 同様のことは地域社会にもいえる。地域が抱える社会・経済的課題と地域の環境課題を同時に解決する変革に寄与できる、環境人材へのニーズが急上昇しているというのだ。 国レベルの取組も活発だ。2023年に閣議決定されたGX推進戦略(GX〈グリーントランスフォーメーション〉:環境負荷の低減と経済成長を同時に目指す変革のこと)では、図1に示したように、2050年のカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を差し引きゼロにすること)の実現を明確な目標に定めており、企業にも自治体にも目標達成への寄与が強く求められている。 環境省環境教育推進室室長の黒部一隆氏にさらに詳しい話を聞いていこう。 「現在、環境問題は①カーボンニュートラル、②サーキュラーエコノミー(資源の循環利用により廃棄物を減らす経済システム)、③ネイチャーポジティブ(生物多様性の損失を止め、反転させること)の3つが大きな柱。この3つはお互いに関係する部分が大きく、同時に解決を図っていく必要があります。環境省としても、地域社会と連携してこ図1その他の温室効果ガス1.8億トン民生1.1億トン産業3.0億トン運輸2.0億トン電力4.5億トン炭素除去排出削減排出排出量と吸収・除去量の差し引きゼロ=全体としてゼロ2018年排出12.4億トン除去2050年排出+除去で実質0トン 吸収・除去環境問題が社会にとって解決すべき大きなテーマであることは既に幅広く浸透しているが、その重要度はここ数年で急激に上がってきている。企業にとっては経営に、地域にとっては持続可能な社会づくりに直結するテーマとなっており、環境を通じた変革を実現する「環境人材」の不足が各所で叫ばれている。将来この分野に貢献し、活躍するために必要な力とは何か。環境省と、環境問題の解決に真剣に取り組む企業に話を聞いた。 環境問題の解決に向けた取組は、まだまだ一般的には人々の善意によって成り立っているイメージが強い。企業の環境に配慮した取組も、あくまで本業とは切り離した慈善活の専門家や関係者に話を聞くと、一様に「もはやそのような時代は終わった」という答えが返ってくる。 例えば、4ページのコラムに登場する環境分野のスタートアッ2050年までにカーボンニュートラルを実現

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