す。「想い・考え」が湧き出れば誰かに伝えたくなるものです。自分に想いや考えがなければ話すことも、相手の話に興味をもつこともできないと思います。だから授業ではグループワークをする前に、個人で思考する時間を設定しないと話し合いはうまくいきません。ファシリテーションでは「話し合い」を「会話」「対話」「議論」の3つのモードに分けています。「会話」は関係性構築のためのおしゃべりや共感を求めるもの、「対話」は結論をまとめようとせず判断を保留し多様な視点を認識するもの、「議論」はディベートのように意見をぶつけたり結論をまとめるものです。生徒がイメージするコミュニケーションは「会話」が多いようです。一方で学校教育では学習指導要領で「主体的・対話的で深い学び」を実現させましょうと言っており、「対話」が重要視されているのです。―― ても一旦受け入れるという「傾聴」「承き点はどんなことでしょう?対話的な学びには、個人的に、コーチングスキルの「傾聴」「承認」「質問」が必要だと思っています。人の話を聞いて(傾聴)、相手を受け止めていくこと(承認)は得意と思っている生徒も多いようですね(Q2)。自分の意見と違っ認」から、安心・安全な場が醸成されていきます。私は、これからのコミュニケーションで大事なのは「質問し合う、問いかけ合う」ことではないかと考えています。質問するためには相手や対象に興味関心をもつ必要があります。例えば化学の授業において、「化学が嫌いだから意見がもてない」で終わるのではなく、「なぜ化学が嫌いなのか」という問いかけから始めればよいと思います。質問を考えて投げかけることで対話が深まっていきます。自分の考えをもつときも同じで、個人思考のなかで自分に問いかけ、対話することで考えが生まれます。コミュニケーションは自分との対話から始まっているのです。自分の考えをもったうえで人と対話すると、相手と自分との違いを感じることになります。それが多様な価値観との出会いです。アンケートで「自分の意見と異なる人と議論する」を苦手と答えた生徒が多かったですが(Q3)、そこで必要なのが対話。議論する前に、いろいろな考えがあることを知り、なぜそう考えたのかという相手の背景を考えること、そして、その考えを受けて自分の考えが変容していく対話のプロセスを実感することも、コミュニケーションの意義ではないでしょうか。お互いの想いを伝え合う場をつくることで役割を認識社会でのコミュニケーションが多様化・複雑化してきて、コミュニケーションという言葉の捉え方がわかりにくくなっているように感じますね。コミュニケーションには言語的なもの対話をするときに気をつけるべ11得意だと感じること苦手だと感じること高校生がイメージする「コミュニケーション能力」は「自分の意見をわかりやすく話す」「相手の話を聞く」「初対面の人ともすぐに打ち解ける」が高く、伸ばしたいものとほぼ同様の傾向を示している。一方で、得意なことは「相手の話を聞く」「相手の気持ちを理解し共感する」と相手を察することが高く、「自分の意見をわかりやすく話す」「初対面の人ともすぐに打ち解ける」など自分発信のコミュニケーションは苦手と捉えている。2026 JAN. Vol.457「コミュニケーション能力」という言葉からイメージするものコミュニケーションに関する力で特に伸ばしたいもの自分の意見をわかりやすく話す相手の話を聞く相手の気持ちを理解し共感する初対面の人ともすぐに打ち解ける議論でみんなの意見をまとめる相手の表情や態度から気持ちを察する敬語や丁寧な言葉遣いを正しく使える自分の意見を論理的に筋道立てて話す相手に失礼がないよう気配りをする自分の意見を文章でわかりやすく書いて伝える相手の意見を文章から読み解くオンラインで、アバターやスタンプなど表現技法を活用し、自分の思いを伝えるオンラインで、アバターやスタンプなどのリアクションから気持ちを察する当てはまるものはないその他こ れ か ら の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 紐 解 くわかりやすく伝えたり初対面で打ち解けるなど、自分の評価につながることをコミュニケーション能力と捉えているようですね
元のページ ../index.html#11