キャリアガイダンスVol.457
18/66

オイルのような役割も欠かせません。目立たないけれど、組織の中で重要な役割を担ってくれている人の存在を可視化することが組織開発の入り口。それによって、不必要な人などいないことに気づいてもらうのです。そうした前提に立ったうえで、「コと断定するのは、揺れ動いている人間に対して不自然なことをしているように思えます。そのため、前記のような相談をもちかけてくる経営者には、問題を個人の能力のせいにせず、今いる人材、それも、さまざまな「持ち味」をもった従業員を、どう効果的に組み合わせるかを一緒に考えましょうと伝えるようにしています。こうした考え方は自動車の「機能」     に例えるとわかりやすいと思います(図表参照)。「リーダーシップ」や「主体性」といった、今の社会で特に求められがちな要素はおそらく、車でいうアクセルのような機能を指しているのだと思います。確かに、組織の推進力を生み出す重要な機能です。しかし、アクセルだけで車を安全に運転することはできません。当然、危機を察知し事故を未然に防ぐブレーキが必要ですし、指示した方向に確実に曲がるタイヤも不可欠です。ポイントは、これら車の機能同士に優劣はないこと。「アクセルだからすごい」「ブレーキではダメだ」とはならないはずです。それと同じで、個人にも良し悪しはありません。あるのは、「持ち味」とも言うべき、発揮しやすい特性の違いだけです。コミュニケーションのスタイルも人それぞれです。高校生にとっての「コミュニケーション力」とは、理路整然と自分の考えを言語化し、能動的に発信するといったイメージが強いでしょうし、企業でも、そうしたコミュニケーションのスタイルが求められがちです。自動車でいえば駆動系。なるほど、目立つし、組織をリードしている感じが出ます。しかし、そういう人たちだけでは社会は成り立ちません。普段は大人しいけれど、いざというときに警鐘を鳴らすクラクションのようなタイプも必要ですし、「ところで、こっちの課題については議論していなかったよね」と方向を微調整するウインカーのような役割も大切です。意見が対立したときに間を取り持ち、周囲に気を配るコミュニケーションの本質は相互変容をもたらすことコミュニケーションのスタイルは人それぞれ。そこに優劣はない組織の機能を車に例えると?2026 JAN. Vol.45718※『「能力」の生きづらさをほぐす』(勅使川原真衣著)より明確な意図のもとに推進に努めた冒頭のみ議論を推進した明確な意図のもとに議論を制止させた同意しかねる点があり、徐々に議論を制止するよう介入した完全に制止させたわけではないが、議論の行方に警鐘は鳴らした議論のゴールまでの道程を示し、横道に逸れないよう指示した客観的データを議論の材料として示した役に立つかどうかではなく言いたいことを言った主張しないが、議論の場にいた円滑な進行のため周囲を気遣った円滑な進行のため空気を読み、議論の流れに従っていた場が心地よいものになるよう動いた

元のページ  ../index.html#18

このブックを見る