キャリアガイダンスVol.457
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病気や怪我による障害や、加齢に         て、患者さんと「したい作業」「するよって、生活のなかでうまくいかなくなったことを抱えた方が、その人らしい生活を送れるようにお手伝いする。イムス札幌リハビリテーション病院で、私は作業療法士として、そのような仕事をしています。移動や食事、着替え、仕事の実務、趣味の活動。それらの生活行為につい必要がある作業」「家族などから期待されている作業」を共有。その目標を見すえてトレーニングや環境調整といったリハビリを進めていきます。大事にしているのは「正常か異常かではなく、上手か下手かで捉える」ことです。患者さんのなかには、体を動かしづらい麻痺が残るなど、医学的に正常ではない状態が続く方がいます。ですが、麻痺があってもパソコンや車椅子を使って「上手に日々を送る」ことをされている方もいます。以前と同じ動きは難しくても、やり方を変えたり器具を使ったりして、ご本人が望まれる生活ができるように後押しするのが、作業療法士としての目標です。そのリハビリについて患者さんと患者さんの現状の受け止め方や、脳血管疾患(脳梗塞など)後に、外出訓練で患者さんの家に同行したとき、冷蔵庫に葉物野菜が入っていたとします。傷みやすい葉物野菜があるなら週1回以上買い物をしていたと想像できます。「買い物はよく行きますか」「荷物は持ち帰れそうですか」などとお聞きし、何はできて何は困難か、工程を分けて一緒に見極めます。患者さんの趣味が陶芸だったとします。それは作ることが好きなのか、作品ができあがるのが嬉しいのか、完成品を使うことの喜びが大きいのか。楽しさの構成要素を質問で分析し、院内のレクリエーションの参加状況やそこでの表情からも汲みとって、その人らしい今後の生活と、そのための訓練を一緒に考えます。話し合うときは、年齢や性別、生活習慣などからくる考え方の違いをよく感じます。例えば「夜に一人でパジャマに着替えられたほうがいい」と私が思っても、「外出しない日は一日中部屋着で過ごしてその恰好のまま寝る」という方なら、着替えの練習はそこまで重要ではありません。「歩行器を使えば外に出やすくなる」と提案しても、「ご近所に見られたら恥ずかしい」と拒まれる方もいます。だから日々のコミュニケーションでは「自分の当たり前は、相手の当たり前ではない」と認識し、考えを押しつけないようにしています。また、この人は自分と考えが違うからよくわからない、と心理的ハードルを高めるのではなく、その相手の考えに興味をもち、話を聞くように心掛けています。「あなたはあなたの専門家なので、あなたのことを教えてください」と。そこに作業療法の専門家としてお伝えできることも交え、生活上の課題は何か、それをどう解決するかを一緒に探るのです。リハビリで見すえる目標が、私たちの認識と違っていることもあります。注意散漫や物事がうまく組み立てられない高次機能障害の症状が出た方が、ご自身では変化を感じず、異常がある扱いをされたくない、と思われることがあります。大病で筋力が落ちたあと、ご本人は「ものをきちんとしまう生活」に戻るリハビリを想定していても、実際は「よく使うものは手が届くところに並べておく生活」に切り替えることを目指したほうが、快適なこともあります。そうした認識のズレを埋めていけるよう、患者さんの今までの生活やこれからの生活を24時間365日思い描くつもりで、相手をよく観察し、問いかけることもします。自分の当たり前を押しつけず上手な生活を一緒に考える観察し、問いかけることで互いに発見できることがある2026 JAN. Vol.45722食事の支度や洗濯物干し、筆記具での書き物、外出しての買い物、将棋や囲碁など、退院後の生活を想定したリハビリに取り組む。取材・文/松井大助 撮影/川原 亮手前の紙は「作業工程の遂行度」や「楽しさの構成要素」を分析する評価表。院内にはさまざまな遊び道具も常備されている。違いを尊重して、生活を一緒に描くこと コミュニケーションとは

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