ill〝W型〟へ内容を一新した。1学年でのインタビューやファシリテーションなどのスキル学習と、そのスキルを実際に地域に出て使ってみる活動を経て、2・3学年では生徒がやりたいと思ったことをテーマにする「マイプロジェクト」に取り組む。例えば、「おいしいシュークリームを作りたい」と地域の洋菓子店に教えを請い文化祭で提供したり、赤ちゃんを泣き止ませる楽器の音色に興味をもち保育園で実験を行ったり、さまざまなプロジェクトが誕生。学んだスキルを活かして、地域と対話しながら進めていく活動を、教員とメンター役の県内5大学の学生が支援する。「生徒がやりたいということは否定しない方針です。もちろん実現困難なこともありますが、やりながら方法を探していけばいい」(横堀先生)生徒は自身の想いや考えを教員に肯定されることで背中を押され、地域に飛び出し、やりたいことの実現のために必要な他者とつながり、関わっていく。そのなかで大きく成長する生徒もいる。積極的に人前に出るタイプではなかったある生徒は、「文化祭を盛り上げたい」と県内で活躍中のラッパーを招くプロジェクトに取り組んだ。同校後援会の総会でプレゼンテーションを行って費用を調達し、交渉・調整も行い企画を実現させた。「実現までにはいくつも障害があったが、いろんな先生たちが陰日向となり応援した。本人は何度も諦めそうになりながら、それを乗り越え、最後までやり遂げることができた」(横堀先生)生徒が自ら学校外に出ていき、多様な人の協力を得ながら成長する姿が、教員の意識も変えていく。「生徒が自由に地域で活動することに、心配性の私としては、少し怖さもありました。しかし、思った以上に楽しそうにきるんだ』と気づかされます」(本間先生)コミュニケーション力を発揮している。には嫌なことは嫌と意思表示できるとっては非常に対応しやすいのではないか」と話す。3年間の成果を実感している。「過去の蓄積の上に、地域からの応援アップを図っていきたい」(横堀先生)るという、小さなステップを設定する。ませる。力を発揮する様子に、『こんなことがでそのなかで、生徒たちは自分なりの企業から転職し、今年度から同校に勤務する中川千恵先生は、「上司の顔色を見て上手に話す人が有能な社会人だとは思わない。この学校の生徒の、時素直さは、大きな強み。連携する側に横堀先生は、生徒の表情の明るさにと生徒自身の意欲がつながり、学校が元気になった。今後も取組のブラッシュ●教員が生徒のやりたいことを否定せず、生徒のWから始まる探究活動で、苦手なことにも挑戦しようとする動機づけを行う。●コミュニケーションのスキル学習や、一対一のトークフォークダンスから始め●地域の大人や大学生、小中学生、他校の高校生、校内の先輩・後輩など、年齢も立場も多様な人との接点をつくる。●地域探究、各種コンテストなどで、人と関わることや人前に出る場数を踏 もう一つのポイントは、探究活動のリニューアルだ。以前の探究プログラムは、地域と連携して地域課題の解決策を考える〝Need型〟だった。しかし、「生徒の意欲を喚起することはできず〝やらされ探究〟になっていた」と保坂先生。「生徒にとって楽しい探究にしたい」と、これまでの地域との関係性は活かしつつ、生徒のやりたいことから出発するill生徒の意思を引き出す探究でコミュニケーション力を発揮左:本間 秀さん(3年生)、右:平田美里さん(3年生)1910年創立/普通科総合選択制(探究教養コース・地域産業コース)/生徒数126人(男子82人・女子44人)/地域と連携した探究活動等により、第13回キャリア教育推進連携表彰(文部科学省・経済産業省)奨励賞を受賞。2026 JAN. Vol.457小学校での読み聞かせ。小学生の純粋な反応に「嬉しかった」「練習したかいがあった」と生徒たち。 自分は人と話すことが好きで、地域の方とのプロジェクト活動にも楽しく取り組んできました。話すときは、相手が誰であっても、嫌な気持ちにさせないことと、自然体で接することを心掛けています。言いにくいことは言い方を工夫し、必要なら「すいません、無理です」とはっきり伝えるようにしています。卒業後は電気工事を行う会社への就職が決まっています。仕事ではお客さんとの会話が大事になるので、高校で培ったコミュニケーション力を活かして働いていきたいと思います。(本間さん) 私は元々、人と関わることに少し抵抗感があったのですが、高校で学校外のいろんな年齢の人と接する活動が増えて、それを楽しいと思うようになりました。特に印象に残っているのは、小学校での読み聞かせ活動です。子どもたちの反応に元気をもらい、もっと関わっていきたいなと教育関係の仕事に興味が湧きました。コミュニケーションでは、相手を理解しようという姿勢で話に耳を傾けることが大切だと思っています。子どもを表面的に判断するのではなく、それぞれの良さを理解しようとする、そんな小学校の先生になりたいです。(平田さん)学校データこ れ か ら の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 紐 解 く生徒インタビュー相手が大人でも自然体で話す相手を理解しようと話を聞くことを大切に29
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