キャリアガイダンスVol.457
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「即興は相手を見ないとできないものです。他のグループの芝居を見て、自分たちの芝居を臨機応変に調整するようなことにも挑戦します」そして3学期は「一人」になって、本や言葉と出会う。最後は、日常生活を基に「私」を1分間のパフォーマンスにする。「表現にはその人が出ます。それを共有することで、『困難を抱えているのは自分だけではない』とお互いに共感することが大切です」生徒は「リベラルアーツ国語」について「一番好きな授業」「楽しい」と口を揃える。4月の授業開始当初、相手を見ることや近寄ることに拒否感があり、簡単なレッスンもできない生徒が大勢いた。「こんなことができた」という小さな自信を積み重ね、話し合いや協働ができるようになってきた。4月から授業を受けてきた生徒たちは、「授業でイノベーター役をやって得意だと気づき積極的に意見を出すようになった」「こだわりなく動けるようになった」「以前は誰かが決めてくれるのを待っていた。今は自分のやることは自分で決めて動くことが増えた」など、それぞれ自身の変化を感じている。「まず生徒と私、次に生徒同士の信頼関係をつくる。そのなかでのやりとりで、生徒がお互いに変わってくる。目指すのは行動の変容で、内面を変えろとは決して言いません。しかし、関係性のなかで自然と内面も変わってくるものです」こうした実践を踏まえ、ほかの高校や大学でも出前授業を実施している兵藤先生は、「このような授業が必要なのは本校の生徒だけではない」と言う。「今、『話す』とはオンライン上のメッセージ交換のことで、対面で話すことは『リアルに話す』と言い、オンラインで『話す』ほうが気が楽なのだと、大学生でリアルに話して、たくさん楽しい経験ができるようにすればいいのではないか。使ったコミュニケーションを練習。それーションを学んでいくベースになる。たちも言っていました。そんな世界に生きているのか、と驚きました。どうすれば『リアルに話す』ようになるかと聞くと、『楽しければ』と。それなら授業多くの若者にそんな経験ができる授業を行っていきたいと思います」●言葉を使ったスキルの前に、からだをを楽しいと感じられるようにする。●一対一の関係性づくりから始め、数人のグループへと徐々に対象を広げ、最後は「自分」に向き合う。●教員との間の信頼関係が、コミュニケ前に、からだを使って他者を感じ取ることから始めるのが特徴です」2学期はグループでのやりとりを練習する。即興演劇のレッスンから始め、短い芝居の創作にも挑戦する(図)。人と話す楽しさが経験できる授業を□ □ □□ □ □□ □ □杏さん(3年左:斉藤愛華さん(3年生)、中央:荒木莉生)、右:竹内惺羅さん(3年生)1969年創立/昼間定時制課程・普通科/生徒数526人(男子245人・女子281人)/兵藤先生が顧問を務める演劇部は高校演劇の全国大会に何度も出場している。2026 JAN. Vol.457 私は初対面でもすぐ話しかけるほうです。でも、以前は相手がどう思っているか考えようとしていなかった。よくしゃべっていても、相手がどういう人か全然知らなかった。もっと言うと、自分が何を考えているかも意識していなく、目の前の出来事をただ見ているだけだったのかもしれません。この学校で「聞く」ことを覚え、人間というものに興味が湧き始めました。「リベラルアーツ国語」を通じてクラスの関係性がぐんと良くなり、今は誰とでもなんでも言い合えるという安心感があります。(竹内さん) 学校そのものが怖いという状態でこの学校に入学し、がんばっていろんな人と関わるようになって、今はすごく楽しいです。最近、自分の気持ちを言葉にして伝えることが多くなったように思います。中学の時は思うように学校に通えずふさぎ込むことが多く、家族にも自分の思いをあまり言えずにいました。それで苦しくなって、ある日突然爆発しちゃうみたいなことがありました。今は、良いことも悪いことも言語化して家族に伝えています。溜め込むこともなくなり、すごく気が楽になりました。(荒木さん) 中学時代に友達のつくり方がわからなくなっていました。でも、高校で目が合ったことがきっかけで友達ができ、相手の話を聞くことの大事さや、違うと思ったことははっきり言ったほうがいいことがわかってきました。コミュニケーションとは「相手を知ること」かなと思います。今、クラスの3分の1が外国籍の子で、お互いの言語を教え合ったり、自国の料理を持ってきてくれてみんなで食べたりするのがすごく楽しいんです。相手の言葉を理解したい、もっと話せるようになりたいと思っています。(斉藤さん)学校データこ れ か ら の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 紐 解 く生徒インタビュー人間に興味が湧き始めた自分の気持ちを言葉にするように相手をもっと知りたい35取り入れている演劇レッスンの例●箸を挟んで立つ(1学期)2人が目を閉じて割り箸をお互いの人差し指で挟み、声かけや合図なしで落とさないように立ち上がったり、1人が箸の下をくぐるように回ったりする。●〜代の娘とお母さん(2学期)グループごとに決められた設定(10代の娘と母/20代の娘と母/40代の娘と母/60代の娘と母)で芝居を創作。発表直前に『4つの芝居をつなげて連続性のある物語にして』と注文をつける。生徒は前の発表の設定を引き継ぎ、その場で自分たちの芝居をアレンジしながら発表する。     

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