2026 JAN. Vol.457埼玉県さいたま市に、開智小学校(総合部)、開智中学校(中高一貫部)、開智高校(高等部)。埼玉県加須市に、開智未来中学・高校。茨城県守谷市に、開智望小学校・中等教育学校。東京都中央区に、開智日本橋学園中学・高校。千葉県柏市に、開智国際大学。東京都八王子市に、開智国際日本語学校。埼玉県所沢市に、開智所沢小学校、開智所沢中等教育学校(共に2024年4月開校)を擁する。あおき・とおる/1947年生まれ。東京学芸大学卒業後、音楽科教員として都内の公立中学校に勤務。1996年埼玉第一高校(現 開智高校)の学校法人理事となり、翌年理事長。開智中学校(中高一貫部)の開校に携わる。その後、1都3県に複数の教育機関を設立。開智国際大学学長のほか、2022年より埼玉県私立中学高等学校協会会長を兼任。まとめ/堀水潤一 撮影/竹田宗司 開智学園は、2024年4月開校の開智所沢小学校・中等教育学校をはじめ、1都3県に複数の教育機関をもつ学校法人です(下記参照)。1997年に理事長に就任する以前、私は音楽教師として公立中学校に勤めていました。クラス運営や進路指導など教育全般に深く関わるほか、部活動とは別に地域のスポーツ少年団を組織し地方遠征に赴くなど、公立中学校の枠を超えた教育を実践していました。 ただ、公立中学校の授業には限界も感じていました。平均にあわせた画一的な授業は、成績の良い生徒にも、そうでない生徒にとっても苦痛です。この問題を解決するためには自ら理想の教育の場をつくるしかありません。そう決意し、21年間の教員生活に一旦区切りをつけ、家業の学習塾を手伝いながら学校経営について学んだ後、埼玉県の学校法人に入職。教育者かつ学校経営者としての道を歩み始めました。 その第一歩が開智中学校(現 中高一貫部)の開校です。習熟度別授業や、その後の小学校開校による12年一貫教育などによっ学校法人開智学園(埼玉ほか・私立)37て、最初期から高い進学実績を出しましたが、最大の特徴は今でいう探究でした。校外学習や修学旅行も体験で終わらせず、現地で生じた疑問を滞在中に調べ、考え、発表し、学校に戻ってから深くまとめる。今もグループ各校の全学年で実施される各種フィールドワークと個人探究は本学園の探究の核となっています。 「探究+グローバル」を掲げる開智学園の多くの学校は国際バカロレア(IB)の認定を受けています。IBの特徴は教科横断型の探究的な授業ですが、読み書き算盤から始まった日本の教育の良さも実感している私は、探究の時間だけではなく、従来の教科授業をベースに、折に触れ探究の要素を組み込むのが理想と考えています。例えば、数学の授業で「マイナス×マイナスはなぜプラスになるか」という問い1つでも、生徒から次々と提示される解法の豊かな発想に驚かされます。 経営者としての私の哲学は、教育の本質を軸に据えること。校舎の設計や教員の採用などすべては、子ども中心に考えられています。例えば、満を持して開校した開智所沢小学校は教室の数が従来の倍。一人の児童が、通常クラスに加え、1〜5年の異学年で構成される縦割り学級の2つに所属するからです。同じく開智所沢中等教育学校では、AIと共生する生徒のため最先端のAIを活用しています。 教員採用で博士や修士を重視するのも、探究の本質を生徒に伝えてくれることを期待してのこと。教育学部出身の教員がもつ丁寧な指導力と合わさることで相乗効果を発揮します。年2回行われる学園全体の教科会では、校種を超えた交流が行われ、得られた知見はすぐに生徒に還元されます。枠を超える点では、各教科の授業中、できれば一日1つ関連する英単語を扱ってほしいと話しています。生徒にとって、教科の枠は関係ありませんから。 次々と学校を設立・継承してきたのも、開智学園の名を広めることが目的ではありません。子どもたちが自ら学びを創り出す教育を、日本全体にもたらしたいからです。公立中学校での教職生活を経て理想の教育の場を自らつくるすべては子どもたちの成長のためIBの認定もAIの活用も手段
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