西国際大学は、国際人文、観光、経営情報、メディアおよび薬、福祉総合、理学療法、看護等の学部学科を有する総合大学です。250を超す海外の大学等と提携する国際色豊かな大学でもあります。1992年の開学当初、海外で学ぶことはまだ特別なことでした。留学すると、その分卒業が遅れるケースも多いなか、単位の互換認定を前提とした協定先を開拓することで、留学しながら4年で卒業できる仕組みを構築してきました。今も留学は盛んですが、国家資格を目指す学生にとって長期のそれはハードルが高いため、短期かつ、各学部の学びにあった留学プログラムを多数用意しています。例えば、マレーシアの大学で5週間語学を学び、2週間現地のホテルでインターンシップに参加する観光学部の研修プログラムは、1学期7週間のクォーター制を2022年度から導入した本学ならではのものです。海外に行かずとも異文化と触れ合えるようキャンパス自体もグローバル化しています。教員の約13%が外国籍で、留学生比率も約16%という数字は全国平均と比べかなりの高さです。女性教員の割合も38%に上るほか、本学には北海道から沖縄まで全都道府県から学生が集まります。学生食堂の味噌汁の味で違いを実感することもあるでしょう。ただ、多様であることは単なる現象に過ぎず、大切なのは、それをどう自覚的に力に繋げていくかです。気づきを得たうえで、違うことの意味を問う。そうやって他者理解さらには人間理解を深めることが、将来それぞれの専門領域で仕事をし、生活をするうえで役に立つはずです。本学では、コロナ禍を機に整えたオンライン環境を活かし、全学部共通基盤科目をオンデマンドで配信しています。昨年は、さまざまな学問領域に及ぶ80科目以上を用意し、延べ1万5千人が単位を取得しました。考古学が専門の私も、1コマ105分の授業を2科目担当しています。その一つが「人類とモノづくり」という科目で、石器から蒸気機関車まで、人間がなぜどのようにモノを作ってきたかを俯瞰します。例えば、ゴールドラッシュに沸いた米国西部開拓時代。誰もが一攫千金を夢見たわけですが、本当に儲けたのは、鉄道を敷いた会社や丈夫なジーンズを作った人でした。つまり労働者の困り事をなんとかしたいと考え、行動した人。そんなことを語りつつ、「そして今、自ら作りだしたモノによって、人類は存亡の危機にさらされています。皆さんは、これからの時代をどう生きますか」などと問いかけるようにしています。1つの学問分野を深めることは重城 要ですが、広く知ることで見えてくる繋がりもあります。学びに線引きなどありません。ICTやAIも活用しつつ多領域の学びに触れることで刺激を得て、新たな価値を生み出してほしいと考えます。一方で、暗黙知や肌感覚といったものはAIでは置き換えられません。私は常々、「自分の目でみて、考えて、行動する」ことの大切さを訴えています。それは、考古学に限らずあらゆる学問の原点だからです。学長プロフィール くらばやし・まさと●東京大学文学部および大学院人文科学研究科で考古学を専攻。東京大学、金沢大学の助手を経て、1992年開学の城西国際大学に専任講師として着任。教務部長や観光学部長、副学長などを経て2024年4月より現職。考古学を基礎に人類社会の変化について研究。日本私立大学連盟国際連携委員会委員長。大学プロフィール 1992年城西国際大学開学。現在、国際人文学部(国際文化学科、国際交流学科)、観光学部(観光学科)、経営情報学部(総合経営学科)、メディア学部(メディア情報学科)、薬学部(医療薬学科)、福祉総合学部(福祉総合学科、理学療法学科)、看護学部(看護学科)を開設。2026年4月健康科学部(福祉総合学科、理学療法学科、看護学科)に改組。千葉東金キャンパス(千葉県東金市)、東京紀尾井町キャンパス(東京都千代田区)。2026 JAN. Vol.45745まとめ/堀水潤一 撮影/松本崇志
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