戸時代に形成された外交関係はどんなものか」のような問いは、「探究しがいのある問いだが、自分ごととして考えるための前提知識が不足している生徒を惹きつける面白さは足りない」と指摘する。これまで教員間で授業を見合い、対話やワークを行う研修を繰り返し実施。生徒の思考を駆動させる優れた問いには、「身近で自分ごととして考えやすいこと」「難しいが、何らかの方策が複数頭に浮かぶレベルの難易度であること」「多様な答えが可能など問いの答えが気になること」といった特徴を見いだしたという。そのような授業改善のなかで生徒が楽しく学ぶ姿も見られる。古典の松田賢太朗先生はこう話す。 「古典の面白いところを熱く語ってくれたり、授業後、その日に取り上げた作品について生徒同士で感想を言い合っていたり…学んだことが授業外でも生徒の頭に残ってくれている様子が、教師としては非常に嬉しいですね」略を「開建コアスキル」として設定し、これからの人生のさまざまな場面で使えるよう育成を図っている。コアスキルは探究のプロセスに即した「探索」「分析」「解釈」「表現」の4つに大別され、「比べてみる」「さかのぼってみる」など全16種類。イラスト入りのカードにし、生徒全員に配布している。まずは1学年の学校設定科目「ルミノベ を深めるなど、コアスキルを使った探索をーションⅠ」で、コアスキルを使う練習をする。例えば「作ったカレーがおいしくなかった時にどうするか」を問いとするグループワークでは、「さかのぼってみる」を使って「あのとき水を入れすぎたのではないか」「芋を大きく切りすぎたのではないか」と思考経験する。また、哲学対話や絵画鑑賞を通じて、コアスキルを使った対話から新たな気づきを得る感覚を養う。また、各教科の授業や探究活動でも意識的にコアスキルを活用する。例えば、歴史の出来事を理解するために『さかのぼってみる』を使って背景を考察する、体育では先生の動きを『まねしてみる』から始めるなどだ。 「次第に生徒はコアスキルを覚えて共通言語となり、カードなしでも活用を促すことができるようになります」(村井先生)生徒の学びを主体的な行動につなげるため、同校は「やってみたいをやってみる」をキャッチフレーズに掲げている。その実践の中核となる、「総合的な探究の時間・協創」の流れを見ていこう(図3)。目指すのは生徒の「やってみたい」から始まる探究だが、「1年生がいきなり質の高い探究を可能にするテーマを設定することは非常に難しい」と村井先生。責任の移行同校では、自ら考え学ぶ基盤となる方比べてみる、まねしてみる…人生に役立つスキルを育成自分のパースペクティブを自覚し意識しながら探究に取り組む2023年設立/ルミノベーション科生徒数709人(男子284人・女子425人)進路状況(1期生が卒業前のため実績なし)研究開発主任村井昂介先生塔南高校を前身とし、新しい普通科系高校として開校。「光(Lumin)」と「革新(Innovation)」を組み合わせたルミノベーション科を設置し、「協創者」の育成を目指している。新しい形態の授業の実践、京都をフィールドにした探究活動、課外での多彩なプロジェクト活動が特徴。文部科学省「新時代に対応した高等学校改革推進事業(令和4〜6年度)」および「高等学校DX加速化推進事業(令和6〜7年度)」の指定校。対話・協働での学び問いから始まる学び開建高校学びの三原則個に応じた学び教頭宮越敬記先生1学年主任佐藤隼平先生3学年主任松田賢太朗先生2026 JAN. Vol.457図1 開建高校が目指す学び図2 ラーニングポッドのイメージ図可動式の壁を全開474つに区切って使用自ら考え、自ら学ぶ
元のページ ../index.html#47