結果原因があっても個人情報保護法情報を得られる本来業務と避難所業務が分担されている医療・保健・介護の職員が足りている個人情報保護法があるために情報を得づらい本来業務+避難所業務の遂行が困難医療・保健・介護の職員が足りていないに関する政策も調べて改善案をまとめた。「現行政策の改善を図る提案なら、政策の妥当性は高まり、当事者の方々との議論もよりかみ合います。それによって生徒の社会参加も促されると考えました」うな地域課題解決の授業を構築してきた。重視してきたのは、生徒の解決策に、課題に関わる当事者からフィードバックをもらい、さらに考えを深めることだ。扱う題材ごとに当事者となる団体や人を学校周辺で探し、協力を仰いできたという。「公共政策学を研究する秋吉貴雄先生の言われる『非専門家の知識』という言葉が好きなんです。例えば国の政策は、経済政策にしろ社会保障政策にしろ、専門家の意見を取り入れていて、おそらく論理的には相応に正しいと思われます。ですが、正論なら皆が受け入れるかといえば、現実にはいろいろな批判が噴出します。特定分野の専門家の知識だけでなく、その社会問題に関わってくる多様な当事者の『普通の知識』『現場の知識』も加わってこそ、政策は社会全体で受容しやすいものになり、政策の質も向上する、というのです」 生徒が今後、仕事や私生活でより本格的に自分たちの地域課題を周囲と話し合うことになったとき、「自分の主観や気持ちだけで『こうしたほうがいいんじゃないか』と発言する」ようでは、立場が異なる人との議論は平行線で終わり、時間や労力をいたずらに消耗する。そうではなく、「各方面の情報にきちんとアクセスし、集めた情報を基に現状把握や問題分析を行い、論拠をもって、妥当性・実現性のある解決策を提案する」ようになってほしい。そのような姿勢で社会参加する素養を、公民科の授業で育もうとしているのだ。小林先生はこうした実践で、図3のよ目的系図(手段部分)フィードバック中心問題図1 問題系図を生かした問題分析図3 地域社会の課題解決を図る授業の計画一例(6〜8コマ想定)参加者分析59図2 問題系図を基にした目的系図の作成問題系図(原因部分)目的分析プロジェクトの選択PDM作成問題分析勉強についていけない遊べていないヤングケアラーになる中高生がいる自治体の取組が不十分家庭の問題が表に出にくい生徒が作成した問題系図を編集部が一部抜粋・編集。実際の授業では、問題の原因についてはさらに深掘りして階層的に捉えるところまで行っていた(例えば「自治体の取組が不十分」である原因の一つとして「状況を把握できていない」ことを一段下に記載する、というように)文書や映像資料、当事者の話などから次の点を捉える①課題の把握 (対象となる 社会問題の現状)②当事者の把握 (どのような人が どう関わるのか)※PDM ……プロジェクト・デザイン・マトリックスの略で「プロジェクト計画概要表」とも言われる。国際協力や社会政策の現場で活用されている問題系図と目的系図。社会参加学習の先行実践例や、社会問題の解決手法を、小林先生が幅広く研究するなかで見いだした手法だ。課題解決ではない、政治のしくみの学習など普段の授業でも、「なぜこうなったと思う?」と因果関係を問うことを大事にしているという。2026 JAN. Vol.457友達ができない相談できる人が少ない課題に関する中心問題を設定中心目的を設定(問題解決の状態)複数資料を分担して読解し、以下を分析①問題の原因 (望ましくない現状)②問題の結果 (望ましくない未来)問題系図の表現を反転させ以下を思案①目的達成の手段 (望ましい状態)②実現する目的 (望ましい未来)グループで問題系図を作成問題の原因→結果を構造的に捉えるグループで目的系図を作成解決手段→目的を構造的に捉える災害時に福祉避難所が十分に機能しない運営体制が整備されていない避難した人の情報を把握しづらい生徒が作成した問題系図・目的系図を編集部が一部抜粋・編集。問題系図の「原因」を肯定表現に反転させると、目的(課題が解決した状態)に向かう具体的な「手段」が浮かび上がってくる。実際の授業では、このページの左下の写真のように、より多くの原因や手段があげられていた。資料を基に対象の社会問題の現状の政策を把握現状を踏まえて社会問題の政策の修正案・追加案を提案書にまとめる災害時に福祉避難所が十分に機能する問題系図で示した「原因」(望ましくない現状)を反転運営体制が整備されている肯定表現に変更して目的達成の「手段」に社会問題に関わる当事者から評価をもらう例)地域の事業者地域の行政職員専門知をもつ資格者地域住民避難した人の情報を把握できるフィードバックを基に政策を再検証PDM(※)としてプロジェクト目標やアプローチ方法を表にまとめるまとめのレポートに個々に取り組む
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